|| 倫敦納豆 13/12/23 (月)23:15
秋天馬ジャスタウェイ、JC馬ジェンティルドンナは回避、キズナ、エピファネイア、ロゴタイプ、メイショウマンボら3歳勢主力も回避。エイシンフラッシュも直前に故障引退してしまい、有馬記念のメンバー「も」さびしいものになった。私見だが秋天もJCも観客として少々不満が残るメンバー構成であった。競馬界の風潮として、出走間隔を開ける、年間出走レース数を減らす(その代わり、現役期間を延ばしてはいるが)傾向にあり、もう「秋のGI3連戦」という構成自体が難しいのかもしれない。 人気はオルフェーヴル(1.6倍)、ゴールドシップ(4.4倍)、アドマイヤラクティ(14.4倍)、ウインバリアシオン(16.1倍)の順。ゴールドシップは前々走GIIで5着、前走JCが15着大敗ということを考えると、オルフェーヴルの1.6倍は近走成績だけ見れば人気が低い。池江調教師が状態を「80点」と評するなど、確かに状態不安説はあった。だがそのような説を増幅させたのは、オルフェーヴルの予想不可能性、オルフェーヴルの精神面への信用のなさではなかったか。「ライバルは自分自身」という表現があるが、その意味では彼ほど強力なライバルを持った名馬は、少なくとも近年の日本にはいなかったのだから。 6.9-11.1-12.3―11.6-12.4-12.8-12.4-12.0―11.8-12.3-12.6-11.8-12.3(有馬記念) 7.0-12.1-13.2―12.9-13.2-13.5-12.9-12.3―11.8-11.7-12.2-12.3-12.6(同日の1000万下)
メンバー中に逃げ馬がおらず、かなりのスローペースを予測する人もいた。先頭はカレンミロティックと見る人が多かったと思う。だがスタートすると、何頭かが先頭を争う形になった。先頭を奪い切ったのはルルーシュである。次にカレンミロティック、ダノンバラードと続く。早くもテイエムイナズマが離れた最後方にいる。 1周目の直線に入って、3番手にナカヤマナイトとラブリーデイが加わった。アドマイヤラクティやトーセンジョーダンはその後ろで、ゴールドシップは後方、その直後にオルフェーヴルがつけて、これが後ろから4番目である。初めの1000mは1:00:8で、結果的にはほぼ平均ペースであった。 ルルーシュは後続を引き離すこともできず、先頭で逃げ続ける。しかし3角手前で早くもカレンミロティックに並ばれ、その後の馬も間近に来ている。ルルーシュが脱落した残り600m手前あたりで、ついにオルフェーヴルがまくって動く。その前にいたゴールドシップは簡単に追い越され、必死に追おうとするが差がついていく。 オルフェーヴルは直線に入った時点でもう先頭に立っていた。まず一気に突き放し、これで勝負あり。中からウインバリアシオンが2番手に上がり、外からゴールドシップが追うものの差は開くばかり。結局2着ウインバリアシオンとの差を8馬身つけてオルフェーヴルが有終の美を飾った。
オルフェーヴルへの不安は杞憂に終わった。だがこれが本当に全力なのかは確信を持てないのがこの馬の困ったところだ。ところでこの馬は、菊花賞で抜け出した後にスピードを落として2着馬との差を詰められていた。4歳の凱旋門賞でも「抜け出た後に気を抜く馬」と言われた。この点は克服されたということだろうか。 ウインバリアシオンは大きく引き離されたとはいえ、復帰2戦目としては納得できる走りだろう。中山より東京向きと思われていたが、中山的な狡さを求められないレースだったのもこの馬にとってよかった。 ゴールドシップは「立て直しの3着」とも言えるが、私は否定的に見たい。レースの上りが36秒台になるなど、今後何回あるだろうか。おそらくゴールドシップにとって、今年の宝塚記念以上に適した流れだったにもかかわらず、この着順だったのだ。GI4勝なら、相手が悪かったと「言われる側」でなければいけないだろう。
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