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ジャパンCダート |
[ ☆レース回顧 ] |
|| 人力 04/11/29 (月)04:02
やはりタイムパラドックスは、いや武豊は一発狙っていた。最内をスルスルとすり抜けて伸び、圧倒的本命の同厩馬を抑え込むV。中央・地方通じてのGI初勝利を一番の大舞台で決めた。松田博資調教師は2着アドマイヤドンとのワンツーを決めたものの、やはり看板馬(というだけでなく母ベガということからも相当な思い入れがありそうだが)に勝って欲しかったらしく、コメントは歯切れが悪いものであった。全くもって贅沢な懊悩である。
その2着に敗れたアドマイヤドンは、やはり往年に比べズブさが増していたもよう。直線はジリジリとしか伸びず、1・1/4差の完敗を喫した。が、決して実力負けではなく、コース取りの差だろう。1番人気がタイムパラドックスのレースをできたか、と言えば、余程度胸があるか馬鹿でない限りできはしなかったと思うし、あれがアドマイヤドンのレースだと言えばそうでもある(ただ、4角で先頭を射程圏に入れられなかったのは安藤騎手にしても計算外だったろうが)。年齢を経て、両者の実力は拮抗するものとなっていた、と見るのが正しいだろう。たまたま今回は、様々なファクターが絡んでタイムパラドックスが勝った。それだけである。
2番人気に推されたトータルインパクトは4着。日本の「砂」はやはり一線級の外国馬にとっても厳しいか。稍重以上ならば結果も違っていただろうが。今後も外国馬は、余程力の抜けた馬が来ない限りはそういうスタンスでいいのかも知れない。
というよりは、本当に外国馬と同条件で戦わせたいのならば散水した方がいいのではなかろうか。
3番人気ローエングリンは、ナイキアディライトのハナを叩いてレースを引っ張るも、直線失速して13着に大敗。逃がして貰えなかったナイキアディライトも、終始かかるそぶりを見せて直線アラアラ14着に共倒れ。ローエングリンは控えるような口ぶりを陣営がしていただけに、押してハナを主張したのは個人的には不可解だった。砂を被るのを嫌ったのか、それとも……。
3歳馬ジンクライシスが3着に健闘。デビュー以来馬券圏内を外さない堅実味が光る。パーソナルラッシュといいカフェオリンポスといい、ひょっとすると3歳ダート路線はかなりの粒揃いかも知れない。3頭共に外国産馬であるが。
招待馬の他2騎、オミクロンとヴォルテクスがそれぞれブービーと最下位。特にヴォルテクスは3角で既に手応えを失い、上がり3ハロン1分40秒台という大敗を喫してしまった。招待された結果がこれでは、外国馬も来ないというものだ。JCDは相変わらず、レースの在り方を問われ続けている。
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