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阪急杯 |
[ ☆レース回顧 ] |
|| 富士山 06/02/27 (月)03:01
25日夜から降り出した雨は徐々にその強さを増し、激しい雨となって阪神競馬場を襲った。その雨は8レースが始まる頃には上がったが、その雨量は馬場コンディションを不良馬場にもっていくには十分すぎる量だった。 今週で引退する松永幹夫が最後に騎乗する重賞のパートナーとなったブルーショットガンにとって、この雨は恨みの雨だった。 確かに彼は時計の掛かる北海道の洋芝で良績を残している。しかしそれはほとんどが良馬場による実績で、道悪だと思ったように動けないのは2走前の淀短距離Sが証明していた。彼はのめりまくっていたのだ。 陣営の「何とか良馬場で走らせたい」という願いからは程遠い馬場、週頭にはブルーショットガンに期待していた人間も、この状況では狙いを下げざるを得ない状況だった。
レースは予想通りローエングリンが引っ張った。気性面に不安があり、暴走癖のあるこの馬だが今日は比較的落ち着いていた。半マイルの通過は46.3、それなりに速い流れといったところか。 ここ2走ゲートの出がイマイチだったブルーショットガン、今日はまともにゲートを切った。そのまま先行集団の後ろ、7番手に位置。ラチ沿いにスッと位置取りを変更した。 3コーナーで後方にいたコスモサンビームが突如ズルズルと後退。この時点で詳細は分からなかったが、その後急性心不全による死亡が判明。屈腱炎から奇跡の復活を果たした3年前の2歳王者の、意外で壮絶な最期だった。 彼を除く14頭は一団で直線に入ってくる。インに入っていたブルーショットガンを松永は4コーナーで巧く外に持ち出す。ここから名手達の追い比べが始まる。 ラチ沿い一杯に逃げ粘るローエングリン、これに人気薄スナークスズランと1番人気オレハマッテルゼが好位から抜け出しを図る。その外に黄色い帽子が来た。コスモシンドラーと併せ馬でブルーショットガンがやってきた。出走馬の中でもかなり小さい部類に入る454キロの馬体が弾むように追い込んでくる。松永も渾身の追い、ここで勝ちを逃せばもう永遠に1400勝には届かなくなってしまう。 外のコスモシンドラーの方が脚色がいいか。しかし、ここでブルーショットガンがもう一度伸び返す。こんな馬場が合うはずはないのに、小さな馬体が伸びた。もうコスモシンドラーに余力はない。ターフの貴公子の重賞ラストライドは、劇的な1399勝目だった。
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