|| 倫敦納豆 07/04/29 (日)23:09
戦前から小粒といわれたメンバー構成。とはいえ今年の古馬芝2400m以上の重賞の勝ち馬は、トウカイワイルド(日経新春杯)以外は全て出走。昨年の2冠馬メイショウサムソンと長距離G1を2勝した(菊花賞は遡ってJpn1になるわけだが)デルタブルースが出走している。 G1馬がこの2頭しかいないのは、ここ2年間でディープインパクトが勝ちまくった結果であり、現状ではやむをえない。また回避・故障離脱した有力馬も何頭かいるが、それはこの春天に限った話ではない。要するに、競馬ファンが嘆くほど今回のメンバーは薄くなかったのだ。 それでも低レベルそうな印象を与えたのは、先述のG1馬2頭が信用されていなかったからだ。だがそのうちの1頭のメイショウサムソンが好タイムで勝ったことで、自身の信用を取り戻した。それだけでなく、「強いサムソンが出ていたじゃないか」ということで、レースの評価も高めた感がある。
レースはユメノシルシの逃げで始まった。続いてマイソールサウンド、内にマツリダゴッホ、続いてデルタブルース、トウショウナイトの順。その後にトウカイトリックとエリモエクスパイア、その次あたりにメイショウサムソン。1番人気アイポッパーは後方3番手くらい、ネヴァブションは最後方。 1000m通過タイムは60秒台前半と速め。一時は隊列が縦長になったが徐々につまり、3角あたりでデルタブルースが仕掛ける。トウショウナイトとメイショウサムソンが続いた。この3頭が4角で並ぶが、メイショウサムソンが前へ出る。それほどリードを奪えないまま外からエリモエクスパイアが、内からトウカイトリックがやってきて抜こうとするが、メイショウサムソンが二枚腰で競り勝った。 2着はエリモエクスパイア、3着はトウカイトリック。アイポッパーは直線で追い込んだものの4着に終わった。今回は先行勢が壊滅し、逃げたユメノシルシは15着、2番手マイソールサウンドは16着(最下位)、3番手マツリダゴッホは11着、4番手で真っ先に仕掛けたデルタブルースは12着。5番手のトウショウナイトが何とか5着である。
メイショウサムソンは戦前の距離不安説を克服した見事な勝利。着差はわずかだが、もともとサムソンは接戦で勝つ馬なので、それ自体は心配いらないだろう。ただし、昨年のJCあたりから位置取りがやや後ろになる傾向があり、今回はそれが功を奏した面もある。上がりの勝負になったとき対応できるかどうかはまだわからない。
もう一つ強く感じたのが、阪神大賞典と春天の関係低下である。さすがに昨年のディープインパクトは両方を連勝したが、その前数年も阪神大賞典の勝ち馬が人気を裏切るケースが多く、一時期のように「阪神大賞典を勝てば春天では当然の本命」とは考えられなくなっている。今年もアイポッパーが1番人気で4着である。 阪神大賞典=少頭数、スローになりがち 春天 =多頭数、厳しいペースになりがち との傾向が見られる。ちょうど弥生賞と皐月賞の関係のようになっているのではないだろうか。今後も阪神大賞典をスローで勝った馬は疑っていきたい。
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