|| 倫敦納豆 07/05/27 (日)21:40
金曜日の雨の影響もすっかり消えて、レースは良馬場で行われた。単勝オッズはフサイチホウオーが1.6倍と圧倒的、ヴィクトリーが8.2倍とここまでが10倍以内、以下ウオッカ、アドマイヤオーラ、ヒラボクロイヤルと続く。 馬券発売の締め切り直前に、断然人気のフサイチホウオーが興奮している様子が映し出される。これを見て不安に思った人も出たと思うが、不安は現実のものになったようだ。
スタート直後、逃げが予想されたヴィクトリーがすぐ内のアサクサキングスに進路を遮られ、後方2番手まで下がってしまった(ただしこの件は審議の対象にもなっていない)。サンツェッペリンがまず先頭に立つが、アサクサキングスはそれをも交わして先頭に立つ。サンツェッペリンは皐月賞同様に2番手に落ち着き、プラテアードが3番手。 例によってヴィクトリーは1〜2角で前へ行くが、今回は後方からの進出。2角あたりで4番手に入り込んで馬が疲れたのか落ち着いた。その動きに刺激されたか、向正面でフサイチホウオーがかかり気味に5番手の外まで押し上げる。アドマイヤオーラはその後ろくらい、ウオッカはもう少し後ろで中団後ろの内側である。前半1000mは60秒5。 直線に入ってサンツェッペリンが並びかけるが、アサクサキングスは逆に突き放す。プラテアードは後退し、ヴィクトリーやフサイチホウオーも伸びない。タスカータソルテが内に一瞬姿を見せるが、そこから伸びてはこなかった。 その中で、ウオッカが馬場の中央を猛然と駆け抜け、先頭でゴールした。2着は逃げたアサクサキングス、アドマイヤオーラが直線で内外によれまくりながら追い上げて3着に入った。サンツェッペリンが4着、ドリームジャーニーが5着。フサイチホウオーとヴィクトリーは7着と9着だった。
ウオッカの上がり3Fは33秒0。逃げたアサクサキングスも34秒9で、勝ちタイムは2分24秒5と歴代3位のタイムながら、実質的にはスローの上がり勝負だったようだ。ただしウオッカは先述のように中団後ろにいたのであり、展開に恵まれた勝利とは思わない(ウオッカがスタミナ面で他の牡馬たちに劣る証拠もない)。また牝馬には牡馬と混じるとひるむタイプもいると聞くが、馬群の中に入れて勝ったあたりも頼もしい。 アサクサキングスの大駆けは、スローのマイペースの逃げに成功したことに尽きるだろう。その意味で、サンツェッペリンは4着に残ったとはいえ「日和った」印象も残る。結果論だが、ヴィクトリーにしても4番手に落ち着かないで先頭を争った方がよい結果が出たのではないだろうか。
フサイチホウオーは人気を裏切った形だが、先述のように全体的に落ち着きを失っており、その影響もあったのだろう。ただしそれを考慮したとして、「本当は最強だった」可能性はあっても「突出したオッズにふさわしい最強馬だった」でなかったように思う。 ヴィクトリーはアサクサキングスに塞がれたのが致命傷だった。皐月賞のような形に持ち込めば無茶苦茶強いのかもしれない。だが、もともとスタートは悪い方だし、出た直後もすぐ加速する馬ではない。今回のケースがOKなら、今後はスタートを狙って意図的に邪魔されるかもしれない。つまり狙われていない(=人気が低い?)ときしか逃げられないかもしれない。
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