|| 倫敦納豆 07/11/11 (日)22:25
路線転換したアストンマーチャンがスプリンターズSを制し、アルコセニョーラが福島記念を勝ち、牝馬限定の1600万下・ユートピアSは3歳勢の1〜3着独占。今年の3歳牝馬の評価は上がるばかりだった。前日の単勝オッズもそれを反映して、ウオッカが1番人気、ダイワスカーレットが2番人気だった。…が、当日になってウオッカがハ行で出走取消となり、ダイワスカーレットが1番人気になった。以下、スイープトウショウ、フサイチパンドラとここまで10倍以内、さらにアサヒライジング、ディアデラノビア、ローブデコルテと続く。 逃げそうだと見られていたアサヒライジングが少し出負け。とはいっても巻き返せないほどの大きなものではなかったのだが、結局ダイワスカーレットが先頭に立ち、アサヒライジングは上がってきたものの先頭を争うこともなく2番手に落ち着いた。以下デアリングハート、ローブデコルテ、フサイチパンドラ、スイープトウショウ。1000mは1分00秒8とやや遅く、馬群もそれほど伸びていない。 フサイチパンドラは向正面から少しづつ位置を押し上げ、3角あたりから本格的に動き出し、4角では3番手の外までやってきた。アサヒライジングもダイワスカーレットの外に出ようとする。 直線に入り、まもなくアサヒライジングが脱落した。抜け出すダイワスカーレットに対して、フサイチパンドラが外から追いかけるが詰まらない。空いている内からスイープトウショウが馬群を抜け出たものの、前を追う勢いはない。結局ダイワスカ−レット1着、フサイチパンドラ2着、スイープトウショウ3着となった。
(ウオッカ関連の部分を無視して)ダイワスカーレットが古馬勢に敗れる予想をする人も少なからずいたわけだが、それらの多くは「ダイワスカーレットがのんびり先行できるほど古馬は甘くない」という論旨だったように思う。だがフサイチパンドラは札幌記念のようには先行せず、ダイワスカーレットつぶしの役割はアサヒライジングに任される形になった。だがこれは、アサヒライジングには重すぎたようだ。 だがそれを考慮したとしても、レース全体が淡白だった感は否めない。1番人気の馬が決して速くないペースで逃げているというのに、誰もつぶしに行かない。アサヒライジングにも不満はあるが、他の「脚質が異なる」馬たちにも責任はあるのではないか。アサヒライジングが行かないなら自分も行けず、そのまま負けても仕方ないとでも言うのか?G1というより、その前のトライアル戦のようなレースだった。 同時に、ダイワスカーレット陣営が逃げを選択肢に残しておいたことは、英断だったと思う。クラシックが期待できる馬が、初めは能力差で逃げていたのを次第に抑えていくパターンはよくある。しかし「逃げても控えても大丈夫」になるのは成長だが、「控えて大丈夫だが、逃げはできなくなった」ならばそれは成長とはいえないだろう。
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