|| 倫敦納豆 07/11/25 (日)21:35
秋の古馬G1中長距離路線第2戦。初戦の天皇賞(秋)は、メイショウサムソンの勝利に終わった。当然のごとくメイショウサムソンは圧倒的1番人気となり、以下ウオッカ、インティライミとここまでが10倍以内、以下ポップロック、アドマイヤムーンと続いた。外国勢ではアルティストロワイヤルの7番人気が最高である。 レースは意外な展開になった。逃げる可能性ありと見られたヴィクトリーが出遅れ気味でそのまま後方に控え、追い込み馬のチョウサンが逃げの姿勢をとった。コスモバルクやフサイチパンドラなども前へ行くが、結局先頭はチョウサンとなった。以下コスモバルク、内にポップロックで外にフサイチパンドラ、その後にアドマイヤムーン、デルタブルース、アルティストロワイヤル、ヒラボクロイヤルと続き、メイショウサムソンはその次。インティライミは後方に控え、最後方がウオッカ。初めの1000mは60秒1。 2角を過ぎたあたりからペースが落ちてきたが、3角を過ぎてもそれほどペースが上がらない状態で、馬群が詰まってくるとともに後続勢が外に広がり始めた。そのような中、ウオッカが空いた内を通って進出してきた。 直線に入ってもチョウサンは粘る。これにデルタブルースやアドマイヤムーンが襲い掛かるが、直線半ばでアドマイヤムーンがついに抜け出した。その外からポップロック、メイショウサムソン、そして直線で無理やり外に出したウオッカが迫るが、わずかにアドマイヤムーンが凌ぎ切った。2着ポップロック、3着メイショウサムソン、4着ウオッカ。5着には好位を守りきったデルタブルースがなだれ込み、逃げたチョウサンは6着だった。なお、外国勢はペイパルブルの7着が最高だった。 アドマイヤムーンは意表をついた先行策。早めに先頭に立って粘り切るのは、むしろメイショウサムソンの戦法ではないのか。ただし岩田騎手は勝利騎手インタビューで「馬の出来がよかった」「ちょっと折り合いを欠いて」「1〜2角で下げたら馬が怒ってしまった」と発言しており、もっと積極的なレースをすべきだったと感じていた模様。いずれにせよ、切れ味よりも底力を感じさせる勝利であり、今後の種牡馬生活にあたって新たな長所を見せられて満足だろう。 ポップロックは惜しい2着だが、力は出している。個人的には、この馬の現状に何か一つ加えるとしたら、戦法の自在性だと思っていた。その通りに先行して見せたわけだが、直線で先にアドマイヤムーンに抜け出られてしまった。どこに構えても、器用に立ち回ることは無理なのだろうか。 メイショウサムソンはほぼ真ん中あたりに構えて、直線追い込んでの3着。レースが動くのが遅かった点が不利になったが、本来この馬は自分から動いて仕掛けられるはずであり、それは言い訳にならない。今回は他力で動こうとして失敗した感がある。 ウオッカは直線で大きく外に出したが、勝ったアドマイヤムーンは内から抜けている。どうもこれは無駄な動きだった気がしてならない。そのまま内側を走れば勝っていたのではないか。メイショウサムソンと別の意味でもったいない。
天皇賞終了後、古馬中長距離路線はメイショウサムソン1強ムードが漂っていた。だがJCが終わった今、その想いを持ち続けている人は希だろう。また天皇賞の斜行についても、「メイショウサムソンの勝ちは変わらなかっただろうけど」と付け加える人は多かったが、今はあの斜行を含む一連の動きにより勝敗が入れ替わっていたのではないかと思う人が増えたと思う(ダイワメジャーも次戦を勝ったし)。 そのどちらの見解が正しいのかはわからないが、次の有馬記念が終わった時はどのような意見が主流になっているのだろうか。今から楽しみである。
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