|| 倫敦納豆 08/06/30 (月)00:04
出走14頭中G1馬は2頭と、今回の宝塚記念は薄めのメンバーで行われた。芝は重馬場、天気はしばらくの間曇りだったが、8R(宝塚記念は10R)あたりで画面がぼやけたりしており、実際には霧雨や小雨が降ったりやんだりしていたのではないだろうか。この天気も、10レース前に小雨と発表される。8Rの500万下は同じ芝2200mだが、2分17秒4の決着となり、本番のタイムも遅くなることが予想された。 人気はメイショウサムソン(2.1倍)に4歳勢のロックドゥカンブ(6.9倍)、アルナスライン(7.7倍)、アサクサキングス(8.7倍)が続き、以下エイシンデピュティ(11.3倍)、アドマイヤオーラ(14.6倍)が続く。 レースが始まり、しばらくは複数の馬が並ぶ形だったが、1周目のゴール板前あたりでエイシンデピュティが先頭に立つ。2番手にロックドゥカンブ、外からカンパニーがやってきて3番手の外につけた。その内にインティライミ。以下アドマイヤフジ、アサクサキングスが続き、アルナスラインは中団、メイショウサムソンとアドマイヤオーラがその後ろである。早くもアサカディフィートが遅れていた。 例によってアサクサキングスが3角あたりから前へ出始め、メイショウサムソンも追撃体制を整えた。それに刺激されたかカンパニーなども前へ出ようとする。一方で内にいたインティライミとアドマイヤフジは手ごたえが悪そうに(このときは)見えた。 直線に入ってもエイシンデピュティは粘る。そこへアサクサキングスが外からまくってやってきた。このとき内に切れ込みすぎて、インティライミの進路を妨害してしまう(審議の対象だが降着ではない)。だがそのアサクサキングスも伸びを欠き、エイシンデピュティが抜け出した。最後の坂でインティライミとメイショウサムソンが猛烈に追いすがったが、わずかにエイシンデピュティが逃げ切った。2着メイショウサムソン、3着インティライミ、4着は最後追い込んだサクラメガワンダーでアサクサキングスは5着だった。勝ちタイムは2分15秒3、3Fは37秒3だった。
勝ったエイシンデピュティは金鯱賞からの連勝。ただし、金鯱賞との関連を言うよりは、逃げや馬場悪化など「フレンチデピュティ産駒らしい勝ち方」との印象が強い。もちろん重適性も実力のうちなのだが、今回の勝ちで評価が大きく上がったりはせず、あくまで「特殊なレースを勝った馬」として扱われそう。だが、前半が早い展開なのに粘りきった点は評価できる。 もっとも今回のレースは消耗戦にもかかわらず前が残っている。馬場差が小さく内有利だったのだろう。その意味で、結果的に不利を受けたとはいえ最も賢明なレースをしたのはインティライミだったのではないだろうか。内枠を利用し力をため、他の馬が外から進出しようとしても相手にせず直線で伸びた。 メイショウサムソンは外から上がり最速で迫ったものの2着。消耗戦を後ろで待っての結果だから戦法は正しいようにも見えるが、先述の「内有利」まで計算に入れるとどうだろうか。サムソンも内枠なのだからインティライミのようなレースはできたのではないか?ミスと呼ぶのは結果論過ぎるとしても、騎手自身が賭けに負けたように思える。 4歳勢は冴えなかった。ロックドゥカンブは故障があったようだが、アルナスラインは見せ場なく敗退、アサクサキングスも早仕掛けで先にばてた。馬場適性など個別の事情はあるのだろうが、これでまた4歳牡馬の評価は低いままとなってしまった。秋にはG1を取れるのだろうか。
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