|| 倫敦納豆 08/10/26 (日)22:01
ダービー馬ディープスカイが秋天に回った今回の菊花賞で、まず目を引いたのはオッズだった。単勝最低人気のホワイトピルグリム(結果は7着)でさえ43.5倍、18頭のフルゲートなのに全馬が50倍以内に納まった。上位人気はオウケンブルースリ、マイネルチャールズ、スマイルジャックとここまで10倍以内、以下スマートギア、ダイワワイルドボアと続いた。 この日は昼間の降雨により、まだ良馬場ながら先週よりは時計がかかるようになっていた。スタートからアグネススターチが逃げる。だが1週目の直線に入って、外に出したノットアローンが外から交わしにかかる。1週目のゴール付近でアグネススターチが譲る形でノットアローンが先頭に立った。1000mのタイムは58:8。この時点で3番手以降とは10馬身近い差があった。 この差が2角を回ったあたりから縮まり始める。同時に5番手あたりにいたスマイルジャックが3番手まで上がるが、折り合いを欠いている様にも見える。この3頭の次にナムラクレセント、ロードアリエス、シゲルフセルト、マイネルチャールズと続き、ダイワワイルドボア、フローテーション、オウケンブルースリは後方、スマートギアはさらに後ろである。 向正面から、ノットアローンが力なく後退を始め、再びアグネススターチが先頭に立つ。このあたりでレースが動き始め、スマイルジャックが先頭に並び、オウケンブルースリも外に構えて前へ進出してくる。 直線に入って後続勢は大きく広がり、先頭はスマイルジャック。内からマイネルチャールズが抜き去るが、共に伸びに欠ける。一旦チャールズに抜かれたナムラクレセントが抜き返したところで、オウケンブルースリが外から一気に先頭に立った。間からフローテーションも伸びてくる。結局オウケンブルースリが最後まで伸びて1着、以下フローテーション、ナムラクレセント、スマートギア、マイネルチャールズの順となった。タイムは3:05:7、上がり4F47:3、3F35:5。
レース内容を振り返ってみると、6F目までは(先頭の2頭は)けっこう速いのに7F目から13秒台が4つ続く。しかも6F→7Fは12:2→13:9と極端だ。ここはノットアローンが先頭に立ったあたりである。つまりノットアローンはアグネススターチを交わしてすぐに急減速して、アグネススターチもそれに従ったことになる。そしてこの後、ノットアローンはもう再加速できていない。 ノットアローンはその後の惨状を見るに、状態が悪いのを知った上での玉砕騎乗だったように思えるので、その騎乗については賛否両論考えられる。だがアグネススターチの立場で考えると、先頭を譲ったとたんにノットアローンの急減速に逆らいもせず、4Fも超スローペースを続けて後続勢に追いつかれてしまった。これは大きな損だろう。減速した時点、またはせめて2角あたりで再び先頭を奪い返さなければならなかったのではないか。せっかくの逃げが単なる無駄な動きになってしまったのは惜しまれる。
なお、先述の超分散オッズについて、先週の秋華賞が大荒れだった影響を原因に挙げる声が大きかったが、個人的にはその説には同意しない。例えば2007年NHKマイルCは大荒れだったが、翌週のヴィクトリアマイルがそれほど極端に人気が分散した記憶はない。今回のオッズは、本当に上位人気勢と下位人気勢の実力差が小さいと見られただけで、たとえ秋華賞より前に菊花賞があったとしても、大差ないオッズになったのではないだろうか。なお結果は、1番人気→15番人気→9番人気と、本命党と穴党が痛み分けのような形になった。
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