|| 倫敦納豆 09/06/08 (月)00:04
前日は重だった東京芝コースも、この日は良に回復した。とはいえ先週が不良だったため、内側中心に馬場が荒れていることが予想されており、高速決着の可能性は低そうに思えた。 1番人気はウオッカ(1.8倍)、続いてディープスカイ(3.7倍)、スーパーホーネット(6.8倍)とここまで10倍以内、以下はカンパニー(20.6倍)、スマイルジャック(30.0倍)なので上位3頭が大きく突出している。
スタート直後はローレルゲレイロら外枠組の方がよいスタートに見えたが、コンゴウリキシオーが先頭を奪い返す。この勢いのままコンゴウリキシオーが突進するが、ローレルゲレイロも離されずについていき、タマモサポート、アルマダら3番手以下もそれほど離れない。この状態で前半3Fは33秒4はかなりのハイペースであろう。馬群の中で、ウオッカは中団、ディープスカイとスーパーホーネットはもう少し後ろにいる。 3〜4角で、ウオッカは内ラチ沿いにいたため距離差もあって前へ上がっていく。映像では、そのままの勢いで上がりつつ外に出そうとしたところ、ちょうどアルマダに塞がれたように見えた。ディープスカイはウオッカの直後にいたが、ウオッカが外に動いた隙間に入り、こちらは対照的にすんなりと前へ抜け出していく。 直線に入り、コンゴウリキシオー、ローレルゲレイロ、タマモサポート、アルマダら先行集団が広がるが、徐々に勢いを失っていく。このとき内からディープスカイ、外からサイトウィナー、スーパーホーネットが前へ出るが、大外からカンパニーが強襲してきた。 ウオッカは前の馬が壁になって出られない。カンパニーも突き抜けるほどの勢いがなく、ディープスカイが抜け出した。だが残り1F地点で馬群がついにばらけた瞬間、ウオッカが馬群を割って出てきた。ウオッカは外から伸びてきたファリダットを交わし、ディープスカイをも抜き去り、4分の3馬身差で連覇を果たした。
パトロールビデオを見ると、ウオッカが突き抜けるときに行き場を求めて右へ左へと動いている。なりふり構わぬ走りで、余裕のなさが伺える。だがそのことから逆に、理想に近いレースができたはずのディープスカイとの(今回の条件における)力の差を感じてしまった。 今回のレースは前半が速く、上がり3Fで36秒を切った馬は上位5頭のみである。順当に1、2番人気の決着となったが、3番人気スーパーホーネットが人気を裏切る結果になっている。この馬がG2に強くG1に弱いことについて、「G1にありがちなハイペースに弱いから」という説を見た記憶があるが、今回はその説を裏付ける結果になった。スローペースの方が強い、とはウオッカについても言われることがあったが、こちらは今回その説を払拭する内容だったといえよう。
ところで、残り300mあたりでスマイルジャックが前の馬との接触(相手はコンゴウリキシオーか)でつまずいた。一度勢いを失ったが、再び盛り返して9着になった(審議対象だが降着はなし)。1着ウオッカとのタイム差は1秒2、3着ファリダットと0秒9である。コンゴウリキシオーとの接触がなくても他の馬がさらに邪魔になった可能性もあるのであまり大胆なことは言えないが、残念な事故であった。
|