|| 倫敦納豆 10/04/19 (月)02:05
牡馬クラシック第一弾、皐月賞である。きさらぎ賞、共同通信杯、京成杯、シンザン記念、すみれSの勝馬がその後レースを使わずに皐月賞に直行したのが目立つ。この週末には4月にもかかわらず雪が降る珍事があり、馬の輸送が滞ったため土曜の福島が翌週の月曜まで延期されるというアクシデントがあった。中山競馬場では積雪はなかったものの降雨量は多く、雨は土曜の午前までに上がったものの日曜は午前は重、9Rから稍重となった。 人気はヴィクトワールピサ(2.3倍)、ローズキングダム(6.4倍)、アリゼオ(8.1倍)、エイシンアポロン(8.9倍)、リルダヴァル(9.3倍)とここまでが10倍以内、10倍台はヒルノダムール1頭であった。一つ前の京葉Sでヴィクトワールピサの岩田騎手がスタートで落馬したが、負傷はなかったようで皐月賞にも騎乗した。 スタート直後は何頭かが出て誰が逃げるかわからなかったが、結局先頭に立ったのはダート出身のバーディバーディ。(私が予想で選んでおいて何だが)意外に走りは順調で、ハナを争った2F目が10秒9と速くなったこともあり、全体もそれなりのペースになった。2番手はゲシュタルト、続いてハンソデバンドとサンディエゴシチー。アリゼオが続く集団の外、リルダヴァルは内、ローズキングダムとエイシンアポロンはその後ろ、ヴィクトワールピサはさらに後ろの内に入っており、ヒルノダムールはさらに後ろとなった。3F目から12秒台の平均に近いラップが続くが、この間でヴィクトワールピサはスピードの基礎値が違うのか内ラチ沿いに徐々に上がっていく。 バーディバーディは後ろを引き離すことはできず、3角からゲシュタルトに並びかけられる。ゲシュタルトは直線の初めで先頭に立つが、やはり後続がやってきた。始めにやってきたのはアリゼオとエイシンアポロンだったが、ここでヴィクトワールピサが最内の狭いところを一気に突き抜けてきた。ヴィクトワールピサは先頭に立ったアリゼオも交わし一気に勝負を決めてしまう。ローズキングダム、ヒルノダムール、リルダヴァル、エイシンフラッシュが伸びてくるが、これらはアリゼオを巻き込んでその後ろの争いをするにとどまった。勝ちタイム2:00:8、上がり4Fは48:2、3Fは35:9、勝ち馬の上がり35:2。
ヴィクトワールピサは今回メリハリのついた、いかにも中山らしい脚の使い方であった。その分ダービーへの参考にはあまりなっていないかもしれないが、今回は立派な勝ちであった。ただし前年ほどではないにせよ、今回も先行勢に厳しいレースになった感はあり、ゲシュタルトあたりは着順よりは評価をしておきたいところである。
さて、今回は馬場状態が悪いといわれていたが、一昨年、昨年との比較で時計の差を出しておく(08年→09年→10年、10年はいずれも稍重)。参考になればとは思うが、さまざまな解釈が可能なので、今回のレースレベルなどについて私からのコメントは控えたい。
9R 1000万下(芝2000m) 2:02:3→2:01:9→2:02:0 11R 皐月賞G1(芝2000m) 2:01:7→1:58:7→2:00:8 12R 1600万下(芝1600m) 1:34:5→1:33:5→1:34:4
ところで、勝利騎手インタビューにおいてインタビュアーが岩田騎手に対して勝ち馬の今後の展望についてたずねる一幕があった。だがヴィクトワールピサの主戦は武豊騎手であり、彼の落馬負傷のため岩田騎手が代打で騎乗したのである。今後も岩田騎手が関わっていくことを前提としたような質問をしてよいのだろうか?早ければ次走ダービーで騎手を戻されても不思議ではない。角居調教師が、岩田騎手が乗ることを既成事実化されたようで不快に思うかもしれないし、岩田騎手にも迷惑ではないのか?その手の話を聞きたくないわけではないが、今回のような場合はあえて聞かないのがマナーではないかと思う。
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