|| 多摩ちゃん 10/05/31 (月)20:54
正直、「ひどいダービー」だった。この一言にすべてが集約されると感じている。
まず、4角までどの馬も仕掛けようとしなかったという点。 今年は一部の馬を除くとかなりの数の馬が距離不安をささやかれていた。 さらには、それまでのレースのほとんどがスローペースで行われており、 れっきとした逃げ馬が不在だったこともあいまって、積極的な仕掛けをする陣営がいなかった。 それまでに試みた陣営もほとんどなかった。 ウォッカが勝った2007年以降、ささやかれていた内容ではあるが、今年は特にこの傾向が顕著だった。 ジョッキーを含めた陣営に積極性がなくなっていった結果が「誰も勝つ意思を見せないダービー」を 生み出したのではないだろうか?
そして、中盤にて13秒台のラップが刻まれたという点。 実は、近10年にやや重以上の馬場コンディションにて行われたダービーで800m地点から1800m地点までのラップが 13秒台を刻んだのは逃げ馬が暴走した2004年を除くとアグネスフライトが勝った2000年のダービーのみである。 では、2000年のダービーがどういう評価をされているかというと総じて低い。 これは、この年のクラシック競争に出走した牡馬が古馬になってほとんど活躍していなかったことからもわかる。 かといって世代全体のレベルが低いのかというとそうでもない。 アグネスデジタル・エイシンプレストン・タップダンスシチーといった古馬になっても活躍した馬達がいる世代だが、 これらの馬達はクラシック競走に参加していなかった。
この2000年の世代と同じことが今年のクラシック参加組に起こるのではないかということを私は危惧している。 私は「ダービー」というレースは生産者・調教師・ジョッキー・その他いろいろな人たちに大きな「名誉」を与えるレース であると考えている。 そのことが今までは「万人に誇ることのできるダービー」を生み出す原動力になっていた。 しかし、馬場の高速化・そのことによるスタミナの欠如した馬でもそれなりの結果を「見せかける」ことかできるという陳腐さ。 結果、競走馬の弱体化に誰も気づくことなく煽りまくった末のむなしい結末。 はっきりいって、ダービーの前の条件戦の方がまともな競馬をしていた。
無論、人気を背負っていたペルーサ・ヴィクトワールピサが後方にいたという理由もあるだろう。 しかし、人気馬だけでなくレースに参加していたすべての馬・ジョッキー・もしかしたら調教師たち ですらダービーという名誉あるレースどころか競馬そのものを乱雑に考えているのではないかという 疑念を私は持っている。 これは人間の側の問題だけでなく競走馬自体の能力の低下、さらには競走馬という種自体の活力の低下に 繋がっていく問題だと私は考えている。
これらはおおげさかもしれない。 意味のない推論かもしれない。 しかし、いつの世でも危機感をもっていないといかなる宝も腐り落ちてしまう。 そういったことを考えさせられる一日であった。
以上、駄文失礼いたしました。
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