|| 倫敦納豆 10/12/30 (木)23:41
JCではブエナビスタの降着があったことから、有馬記念では繰り上がりで勝ったローズキングダム(降着の件の被害馬でもある)との再戦が望まれていた。だがローズキングダムは疝痛で出走取消に。今後も両者の対戦機会はあるだろうが、両者とも旬の状態で戦うとは限らず、惜しいことになったものである。 人気はブエナビスタ(1.7倍)、ヴィクトワールピサ(8.2倍)、ペルーサ(8.9倍)の順、以下10倍台にドリームジャーニー、エイシンフラッシュ、ルーラーシップである。ファンの予想を単純化すると、「ブエナビスタ1強。これを倒すとしたら3歳勢。他に打倒ブエナが可能だとしたらきちんと復活できていた時のドリームジャーニーくらいで、他の古馬勢には無理。」といったところか。
6.9-11.4-12.0―12.3-12.7-13.4-13.5-12.3―11.5-12.0-11.7-11.1-11.8
スタートで遅れたのはドリームジャーニーとエイシンフラッシュ。いつも府中で出遅れるペルーサは競馬場が変わったおかげか出遅れなかった。まず先頭に立ったのはトーセンジョーダン、続いてオウケンブルースリ、トゥザグローリーで4番手にペルーサ。いずれも中団かもっと後ろに構える馬たちなのだが、今回は逃げ馬が見当たらずスローペースが予想されていた。普段通りに後ろで戦うよりも、自分のパターンを崩してでも前で戦った方が有利と見たのである。そしてペルーサにヴィクトワールピサが内ラチ沿いに並んでくる。ブエナビスタは中団のやや後ろにいた。前半1000mは1:02:0と表示された。予想通り遅いペースである。 前方進出のチャンスと見たか馬を抑え切れなかったのか、向正面でルーラーシップが動き始める。これに合わせて早くもヴィクトワールピサが動いて先頭に立つ。トーセンジョーダンも踏ん張って盛り返すが、もうペースは落ちない。このあたりからオウケンブルースリが苦しくなる。伏兵トゥザグローリーの動きがよい。 4角を回ってヴィクトワールピサが先頭に立つ。外からトゥザグローリー、間を狙ってペルーサも伸びてくる。そして外に出したブエナビスタが猛追してきた。ゴール前は接戦となったが、僅かな差でヴィクトワールピサ、ブエナビスタ、トゥザグローリーの順になった。
3角で先頭に並んで押し切ったヴィクトワールピサも強かったが、ブエナビスタの最後の豪脚もすごい。確かに前半がスローで全体タイムも特筆するレベルではないが、後ろから6F地点で既にレースが大きく動いていたのであり、楽な流れではない(後半6Fで1:10:4)。レースレベルとしては悪くなかったと思っている。
Netkeibaのコラムで柏木集保氏、半笑い氏が既に言っていることだが、視点を騎手に移すと日本勢は心もとない結果であった。実際の着順もさることながら、始めに動いたルーラーシップ(ルメール)、それに合わせて一気にレースの主導権を奪ったヴィクトワールピサ(デムーロ)、低人気ながら巧みに立ち回って3着に食い込み見せ場を作ったトゥザグローリー(ウィリアムズ)と、レース内容の部分まで外国人騎手に支配された感がある。スローペースを見越して三浦、安藤勝、横山典騎手が前での戦いに賭けていた点が救いであろうか。 もはや有馬記念は、外国人騎手が大量に乗りに来るから見ごたえのある大レース、との位置づけなのかもしれない。それは残念な面もあるが、騎手の国籍にかかわらず優れた騎乗は見たいし、有能な者はどの国でも歓迎されてよい。
|