|| 倫敦納豆 11/06/01 (水)00:04
この週は金曜の夜にはもう降り始めていた。土曜は雨の勢いが弱い時間が多かったのだが、それでもやむことはほとんどなかった。土曜の夜から強く降り始め、日曜は一日中不良馬場であった。そして雨の勢いが弱まることはあったが止むことはなく、ダービーの前では再び激しく降り始めていた。 人気はオルフェーヴル(3.0倍)、サダムパテック(6.0倍)、デボネア(7.8倍)、ナカヤマナイト(8.8倍)とここまでが10倍以内、以下10倍台がトーセンレーヴ、コティリオン、トーセンラー、ベルシャザールである。オルフェーヴルの皐月賞の勝ちっぷりを考えればむしろ人気はもっと集まってもよく、多くのファンが不良馬場への対応力を勝負のポイントと見て「今回に限れば力関係は未知」と考えていたのだろう。
12.7-11.3―12.8-13.1-12.5-13.0-13.2―12.8-12.6-12.3-12.2-12.0
先頭に立ってレースを引っ張ったのはオールアズワン。ノーザンリバーも前へ行こうとしたのだが譲らず、前半1000mを1:02:4で走る。不良馬場なのでこのタイムが速いのか遅いのかその時点ではわからなかったが、結果的には異常ペースではなかったようだ。 オールアズワンが後続を引き離し2番手はノーザンリバー、続いてショウナンパルフェ、ユニバーサルバンクら。その後ろにベルシャザールとトーセンレーヴ。サダムパテックは馬群の真ん中、ナカヤマナイトはもう少し後ろ、デボネア、オルフェーヴルはさらに後ろ、そこから離れてウインバリアシオンら後方待機組が4頭いたのだが、最後方のリベルタスが落ちていく(後に競争中止)。 直線に入ってもオールアズワンのリードはまだ5馬身くらいある。ノーザンリバーは勢いを失い、トーセンラーとショウナンパルフェが必死に追う。それを交わそうとするのがベルシャザールとナカヤマナイトだが、馬群の中を割ってオルフェーヴルがすごい脚で突き抜けた。だがさらに大外からウインバリアシオンが抜け、オルフェーヴルに最後の戦いを挑む。一旦は2頭が並ぼうかという勢いだったが、最後はオルフェーヴルがやや突き放す形で決着をつけた。
上がり3Fはオルフェーヴルとウインバリアシオンだけが34秒台、後は速くても36秒4(ナカヤマナイト)、この差がすべてを物語っている。たとえ前半を押さえていたとしても、不良馬場で34秒台は極限に近いはずだ。つまり(位置取りの差はあるにせよ)周りがペースの速さに苦しみ極限の消耗戦をしているつもりなのに、上位2頭にとっては極限の上がり勝負に感じられるくらいにスローペースだったのだ。 今年は皐月賞が東京だった。だから比較的狭いコース適性で春2冠を達成してしまう馬が出る可能性はあった。確かに2冠馬が誕生したが、このような不良馬場まで完勝したことで、適性の狭さを批判される可能性はだいぶ減っただろう。少なくとも世代内では突出して強いことを示している。 ところで、同じ不良馬場のダービーということで、どうしても09年と比較されることが多くなるだろうが、タイムが大幅に速いのはどういうことだろう。あの時は当日は時々雨が止み、レース時も「曇り」となっている。だから今回の方が水分は多かったはずなのだが。 私にこの事実を解釈する能力はないので、09年と11年の(一応)比較可能な芝レースのデータを論評抜きに並べておく。09年→11年で、カッコ内は上がり3Fのタイム。なお09年青嵐賞のみ重、あとは不良。ただし雨の降り方が異なるので、不良同士でも比較しきれない。
青嵐賞 (1000万下、2400m) 2:35:7(39:3)→2:31:8(37:2) むらさき賞(1600万下、1800m) 1:52:4(38:2)→1:51:4(36:2) ダービー (G1、2400m) 2:33:7(39:7)→2:30:5(36:5)
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