|| 倫敦納豆 11/11/14 (月)03:48
昨年の覇者・スノーフェアリーが今年もやってきた。前回の結果を見て日本の馬場でも勝ち目ありと見たか、今年の英オークス馬ダンシングレインもやってきた。迎え撃つ日本勢は、ブエナビスタは牡馬路線、3歳馬のうちマルセリーナは不出走、エリンコートは近走不調で穴馬扱いということで、Vマイル馬アパパネ、秋華賞馬アヴェンチュラ、そして昨年の2歳女王レーヴディソールらが主力とみなされた。 人気はスノーフェアリー(2.7倍)、アヴェンチュラ(4.8倍)、レーヴディソール(7.3倍)、アパパネ(10.0倍)とここまで10倍以内、以下10倍台にイタリアンレッド(10.5倍)、ホエールキャプチャ(11.4倍)、ダンシングレイン(11.7倍)、フミノイマージン(19.8倍)。
12.4―10.5-11.4-11.5-11.7-12.4―12.8-11.8-11.8-12.9-12.4
スタート直後は誰が行くつもりなのかわからなかったが、行ったのは最低人気のシンメイフジだった。逃げたのは今年のTCK女王杯以来、芝でなら昨年のフラワーC以来である。ホエールキャプチャが2番手、アニメイオバイオ、アパパネ、グルヴェイグが続く。さらにイタリアンレッドとアヴェンチュラ、レーヴディソールと続き、スノーフェアリーとダンシングレインはその後ろの集団にいる。 先頭の前半1000mは57:5と速い。2番手との差は2角を回った時点から向正面では2秒〜2秒強なので、2番手も60秒を切っていることになる。シンメイフジはそのまま中盤もあまり緩めずに突っ走る。映像では1分25秒地点でカメラの映す地点が止まり、約2.5秒後にそこをホエールキャプチャが通過する。隊列は特に変わらず、各馬が追い上げの姿勢に入っていった。 直線に入ってもシンメイフジと後ろとの差は大きい。だが明らかに脚が鈍ってきた。ホエールキャプチャ、アパパネ、アヴェンチュラ、レインボーダリアが迫る。ホエールキャプチャが先頭に出た時、後ろから来たスノーフェアリーが先頭集団を割って一気に先頭を奪った。アヴェンチュラも追いすがるが、スノーフェアリーがクビ差で連覇を達成した。
シンメイフジの大逃げは予想外だった。前半57:5は明らかに速い…のだが、今秋の高速馬場を考慮すると、我々観客が思っていたほど速過ぎではなかったのかもしれない。途中で息を入れられれば逃げ切りも可能だった計算だが、これも「アホっぽい玉砕逃げと思わせることで油断させる」作戦だったとも考えられるので批判はしない。 スノーフェアリーは大外枠でありながら内側に入り脚をためる競馬。3〜4角ではそこで距離を稼いだのだが、わざわざ日本勢が最内を開けていたことを考えると、最内自体が有利だったわけではないだろう。好騎乗というよりは荒れた馬場が得意なだけと思われる。前回ほどの衝撃ではないが、今年も強さを見せつけてくれた。JCは出走するのだろうか。
準OPのレインボーダリアとワルキューレが5、6着に入る善戦を見せた。今回の結果を見ると、「1着…対牡馬G1勝ちあり。2、3着…牝馬限定G1馬。4着…牝馬クラシック善戦馬。重賞勝ちあり」と、序列に忠実な結果が出たと言えるので、それに続く着順には価値がある(ちなみに1000万下の2頭は14、15着と、最下位ではないものの格通りに敗れている)。 この2頭に実力が、そして長めの距離への適性があるのも確かだろうが、それでも牡馬相手の1600万下を突破できていない。それが何頭もの重賞勝ち馬に先着し、上位のG1馬にも肉薄した。現在の牝馬勢は、ブエナビスタを除くと1800m以上の重賞で牡馬を倒せる馬は少ないのではないか。(日本の)牝馬が牡馬G1を勝っても驚かない時代はそろそろ終わるのではないかと感じている。
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