|
日本ダービー |
[ ☆レース回顧 ] |
|| マラ男 13/05/26 (日)21:13
去年と替わらぬ晴天の競馬日和。今年は80回目の節目の東京優駿ということもあり、この一週間は各マスコミも大きく報道し、盛り上げてきた。その中にあって、一番人気に迎えられたのはキズナ。キズナは皐月賞組でなく、毎日杯と京都新聞杯の連勝で望んだ別路線組である。二番人気が朝日杯と皐月賞のGI連勝したロゴタイプ。共に2.9倍と3.0倍、双方全体支持率60%を分け合う形に。三、四番人気はエピファネイアとコディーノと共に皐月賞組で、2.3着馬。以上の4頭が10倍を切った。馬場状態はフラット、ただ第8、9レース共に逃げ馬が残っていることから、前が止まらないスピード優先。
タイム:2:24.3 ラップ:12.3 - 10.5 - 12.2 - 12.5 - 12.8 - 11.9 - 12.7 - 12.3 - 11.9 - 11.6 - 11.7 - 11.9 上がり3F:35.2(優勝馬:33.5)
スタートが切られると1枠アポロソニック、6枠サムソンズプライドが他馬を引き離して先頭争いするも、向正面でアポロソニックが先頭。しかし、外からメイケイペガスターが折り合い欠いて先頭に立ってしまった。この3頭が離し、2番手馬群からペプチドアマゾン、フラムドグロワール、ロゴタイプ、クラウンレガーロ、ミヤジタイガ、コディーノ、エピファネイア、タマモベストプレイ、ヒラボクディープ、ラブリーデイ、マイネルホウオウ、キズナ、テイエムイナズマ、レッドレイヴン、アクションスター最後方。先頭から後方まで15馬身圏内で、1000m通過60.3秒と各馬平均ペースで追走する。3.4コーナーで先頭メイケイペガスターにアポロソニックが併走していく、2番手馬群からフラムドグロワール以下が取り付こうとする。直線入るとアポロソニックが早々に先頭を奪い、ペプチドアマゾンとロゴタイプが併せて行くも交わしきれない。外真ん中からエピファネイアが馬群を蹴散らして伸びていこうと思った瞬間に、更に外からキズナが加速してゴール前で半馬身差突き抜けてゴールイン。
ペースを読むと先頭はメイケイペガスターだが、実質的にペースの主導権を握ったのはアポロソニック。残り1000mから加速していくと、追撃する馬らを逆に潰していく。先行した馬らは末脚を無くしていく。この展開で直線300mからエピファネイア、400mからキズナが末脚を使い一気に突き抜けた。他馬は伸びきれず雪崩れ込む形。上がり3ハロン35.2、アポロソニックは35.5、キズナは33.5、エピファネイアは33.9、ペプチドアマゾンは34.7、メイケイペガスターは35.8、全体的に35秒台で上がっている。17.8着のサムソンズプライドとミヤジタイガは36秒前半。
キズナはほぼ馬なりのまま後方4番手で待機。直線では外へ持ち出すも、共に追い出したタマモベストプレイとマイネルホウオウに挟まれるが、徐々に加速して100mで一気。最後は抑える余裕もあった。 エピファネイアは先頭4.5番手の内ラチ好位でレースを進めるが、手綱が引っ張られて終始掛かり通し。途中で手綱を滑らした。直線ではロゴタイプに進路をカットされ、更にコディーノと衝突、残り200mで体勢を整えて追い出すもやや伸びきれず。全体的にチグハグなレースとなった。 アポロソニックはハイ→スロー→ハイのロングスパート。競りかけていく馬を潰していった。競りかけるペプチドアマゾン、ロゴタイプを抜かせなかった。この馬が有利な馬場状況だったのことは事実でも、競りかける馬を潰して上位陣とはタイム差0.3秒で粘らせるのは騎手と馬の実力双方が備わっていないと到底できない。一番強いレースをした。 ロゴタイプは直線で末脚を繰り出すも瞬間的しか引き出せず、5番手まで押し上げるのでやっと。 コディーノは終始掛かっており、直線では雪崩れ込むだけ。落ち着いて走られることができなかった。
これでキズナは3歳時ファレノプシスの主戦だった武豊騎手に導かれる形でダービー制覇。去年の秋に前任者の佐藤哲三騎手が落馬負傷となり、主戦となった。2009年と2010年の落馬事故の後遺症により長らくスランプに陥っていた(具体的には腕の握力が落ちていた)。今年に入り自分の感性を馬に腕から伝えることになった。これで現役最多タイダービー5勝目。エピファネイアの福永祐一騎手は馬を折り合わせられず、腕を引き付けるほどポジションを下げて、バランスが取れず、フォームバランスが崩れている。皐月賞とダービー2着という成績に関しては彼自身の腕前の未熟さを露呈してしまった。筆者個人としてもエピファネイアの素質を買っていただけに残念なところ。自分を向き合って頑張って欲しい。何れはファンらが望む最高のレースを見せて勇気と努力を与えてもらいたい。
|
|