|| 倫敦納豆 13/09/01 (日)23:59
今年は札幌競馬場の改修の影響で、函館競馬場が長期にわたって使われた。この丹頂Sも本来は札幌で行われるはずのレースである。函館はただでさえ福島と並んで芝が傷みやすい。しかも8月半ばあたりから芝が良馬場でない状態でレースが行われ、Cコースまで使っているにもかかわらず加速度的に芝コースが耕されていった。最終日のこのレースも重、距離は2600mである。過酷な戦いが予想されていた。
13.2-11.8-12.7―12.9-13.1-13.7-13.5-13.5―13.4-13.9-14.3-14.2-14.5
まずはスタートでモズが出るが、コスモラピュタとロードオブザリングもハナを主張する。結局内外の差か、コスモラピュタ、モズ、ロードオブザリンクの順になる。一度差が開いてトラストワンらが続く。先行勢は1周目の直線でペースを落とし、縦に広がっていた馬群が少し縮まる。しかし早くもレッドシュナイトが脱落していた(後に競走中止)。 2角あたりではコスモラピュタが少し後続を離しにかかる。再びモズとロードオブザリングがこれを追うがその後はいったん開いた。向正面で4番手以降が徐々に差を詰めにかかるが、ここで3番手ロードオブザリングが一気に後退。そして3角でメイショウウズシオが外から一気に上がって勝負をかける。同じくコスモロビンも外から上がる。トラストワンもようやく先頭に追い付き、サイモントルナーレも必死に食らいつく。モズはまだ先頭近くにいたが勢いは弱く、その後ろが少しずつ切れていった。さらに後ろで、ロードオブザリングに続いてイケドラゴン、グラスゴッド、サトノタイガーが明らかに勢いのない走りで脱落していた。 直線に入って先頭はトラストワンに代わる。サイモントルナーレがこれに並びかけるが、メイショウウズシオは伸びきれていない。サイモントルナーレがそこから何とか伸びて走り抜け、壮絶な戦いに終止符を打った。2着トラストワン、3着メイショウウズシオ。逃げたコスモラピュタも4着に残っている。
勝ったサイモントルナーレはダートで実績を残した馬である。「(重などで)時計のかかる芝なら、砂馬に有利」は俗説とされるが、今回はその俗説通りになった。また一般に、高齢馬の方が時計勝負に弱い印象があるが、そうならなかったことも勝因として挙げられるかもしれない(勝ち馬は7歳)。 横山和生騎手は横山典弘騎手の息子である。新人の頃は「父のコネのおかげで、下手なのにそこそこ騎乗数を得ている」という評価があったが、今回人気薄で勝ったことは自信になっただろう。
ところで一つ疑問点がある。10年前くらいの函館最終週なら、派手に大外から差しを狙う騎手も時々いたように思う。今回は馬場がひどく荒れていたにもかかわらず、それほど外を狙う騎手はいなかった。外ならまだマシ、ではなかったのだろうか。
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