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ジャパンCダート |
[ ☆レース回顧 ] |
|| マラ男 13/12/02 (月)19:33
現状、ダート界の最上位組が集結。ここに駒を進められなかったのはJBCクラシックで故障したハタノヴァンクールのみである。一番人気ホッコータルマエ(1.9)は昨年3着後、勝ち切れないレースが続いたが、5連勝でかしわ記念と帝王賞連覇。ところが、秋緒戦の南部杯はエスポワールシチーに完敗し、JBCクラシックは完勝と浮き沈みが浮き彫りとなったのをファンは感じ取ったのか、オッズは土曜日から急落。一方、昨年の東京大賞典覇者である二番人気ローマンレジェンド(6.3)も今年は未勝利で、此方もオッズは土曜日に急落。三番人気ベルシャザール(8.4)は今年から芝からダートに転向し、6戦4勝と複勝圏100%と安定。此方はGI初挑戦というより、阪神1800m適正が問題視された。引退をかけた四番人気エスポワールシチー(10.1)は南部杯とJBCスプリント連勝。昨年の覇者五番人気ニホンピロアワーズ(13.4)は春先は安定したが、GI未勝利で、秋はこのレースから。六番人気はワンダーアキュート(15.7)で、GIは勝ちきれなくとも、複勝圏は9戦確保し、安定性はどの馬より優れていた。外国馬ではパンツオンファイアが出走。
タイム:1:50.4 ラップ:12.4 - 11.0 - 13.4 - 12.4 - 12.4 - 12.2 - 12.0 - 12.0 - 12.6 上がり:36.6(優勝馬:36.1)
スタートが切られるとエスポワールシチーが先頭へ。ホッコータルマエもスタート良く、エスポワールの2番手追走。以下、メーデイア、ニホンピロアワーズ、インカンテーション、クリソライト、ブライトライン、グレープブランデー、ローマンレジェンド、ワンダーアキュート、ベルシャザール、ローマンレジェンド、ナイスミーチュー、ソリタリーキング、テスタマッタ、パンツオンファイア、グランドシチー最後方。互いに併走状態だが、出入りの激しいレースでなく、淡々とした流れ。3.4コーナーからペースアップすると、後方からベルシャザールとテスタマッタが一気に先頭へ並びかけようとする。直線に入ると坂を駆け上りエスポワールをホッコータルマエが交わす。ニホンピロは伸びがなく、そこにベルシャザールがホッコーを交わすと、更に外からワンダーアキュートが差し、ベルシャザールがワンダーを押さえ込んだ。速め先頭のホッコータルマエは3着。
スタートから向正面は淡々とした流れ。しかし、3.4コーナーから流れが激しくなった。ただ、縦長でなく、互いに併走した団子状態。スピードで後方に置かれやすい差し馬は優しいレース。それを見通したベルシャザールはペースアップ前に自分から仕掛けて先頭へ並び、ポジションをキープ。激しい追走状態になることなく、直線ではスムーズに差し脚。ルメール騎手のセンスが光った。一方で、ホッコータルマエはエスポワールシチーを見る形となったが、それ以上の行動はなく、強気に仕掛けようとも、遅らせようともせず、淡白なレースとなった。ホッコータルマエの勝ちパターンは強気に仕掛けてこそと思うが、レースの主導権を与えながらも生かせず。幸騎手の手腕の無さが見て取れた。
幸騎手は年間最多騎乗数を誇り、殆どがダート戦によるもの。レースも関西圏が多い。しかし、それに対して中央のダート大レースでは断然人気馬に乗ることは少ない。下級条件のダート戦の経験は多いが、上級条件になると何かしらのミスが多い。こういう浮き沈みが激しい騎手であることは、関東の馬券巧者より、関西の馬券巧者のほうが熟知していたと思われ、当日のオッズ急落はこれが原因なのだろう。一方で、ローマンレジェンドの惨敗もある程度、予見されていたと思う。「1年間未勝利の馬が、年末のJCDに勝てるわけない」という声も良く利かれた。ワンダーアキュートに関しては安定性が評価され、三連複や三連単の固定軸ではこの馬を押す人のほうが多かったと思う。
ダート戦も20年余り西高東低であり、今回関東の出走馬は2頭(グランドシチーとインカンテーション)。ダート戦の重賞も関東圏に多く、JCダートが関西に移設したのも、この西高東低状況が影響しているだろう(それだけでないだろうが)。来年は中京1800mの左回りであるが、中京も関西のフォームグランド。左回りの中京に舞台を移したことは、海外競馬に配慮した処置だろうが、個人的にはレースプログラムを作るJRAの戦略でなく、関西側の調教師の圧力と思う。
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