|| 倫敦納豆 14/02/19 (水)03:56
この時期、東京は雪により開催中止〜代替開催が相次いだ。京都でもたびたび雪は降ったが、開催日の変更までには至らず、今回は稍重馬場の中で京都記念が行われた。人気はジェンティルドンナ(1.6倍)、トーセンラー(3.7倍)、ラキシス(7.4倍)、アンコイルド(11.5倍)までが20倍以内である。今回は逃げ馬の出走がなく、スローペースが予想されていた。
13.3―11.8-13.2-12.9-12.5-12.9―13.0-12.2-11.5-11.0-11.7
スタート直後はトレイルブレイザーかジェンティルドンナが先頭に立つのかと思われたが、好スタートでもないのにデスペラードが先頭を奪う。デスペラードが逃げるのは、ダートのときを含めて初めてである。アンコイルドが続き、ジェンティルドンナ、トレイルブレイザーがその後。ラキシスはその次くらい、トーセンラーはもう少し後ろである。 先頭は後続を少し離していくが、大逃げというほどではない。前半1000mは1:03:7と表示されるが、これは稍重を考慮に入れても遅い。後続は先頭との間を詰め、3角へ向かった。ジェンティルドンナが2番手へ上がり、外からマイネオーチャードも前へ進出する。そこでトゥザグローリーがぐんぐん上がっていく。抑えるような手の動きだったこと、コーナーなのにわざと外目を回ったことなどから、本当は先頭に立ちたくなかったのだと思うが、もう抑えられない。そのすぐ後ろにトーセンラーが構えている。 直線に入って、トゥザグローリーはもう抑えずに先頭に躍り出た。デスペラードは内で粘っている。その間のジェンティルドンナは2頭の間を抜け出ることができずに逆に下がっていく。そこへ大外からトーセンラーが一気に伸びて先頭を奪おうとする。これに逆らったのは、何とデスペラードだった。トゥザグローリーは直線半ばで急失速、アンコイルドとラキシスが競り合うがこれは3着争い。勝負はトーセンラーとデスペラードの争いになったが、デスペラードが再び差し返して金星をもぎ取った。 このレースの見どころは、デスペラードの横山典騎手の好騎乗に尽きる。まずスローペースを見越して逃げたこと。そして他馬、特にトゥザグローリーが迫り、追い抜かれてもその段階では抵抗せずにいったんそのまま抜かれ、その代わりに最後の力を温存したこと。正直な話、「もしもジェンティルドンナが元気だったら抜かれないように抵抗していたのか?」という疑問が残るのだが、実際どうするつもりだったのだろう。
同時に、横山典騎手についても思う。彼が主戦としてGIを勝った牡馬は、種牡馬としての活躍度が低くないだろうか?最も活躍したと言えるのは、彼が一流騎手になるきっかけになったメジロライアンであり、他の馬は活躍度がだいぶ低くないか? これについて、横山典騎手も一因ではないかと思う。彼が勝つときは、今回ほどではないにせよ彼らしい才能を見せつけて勝ってしまうので、騎手あっての勝利として見られ、種牡馬としての期待(≒馬の素質への評価)はあまり高まらない。かといってそういう馬が1番人気になると、勝ちきれないレースを繰り返してしまうので当然種牡馬としての評価は下がる。何とも皮肉な話である。
|