|| 倫敦納豆 14/10/27 (月)01:15
皐月賞とセントライト記念を勝ったイスラボニータは秋天へ行ってしまったが、その他はだいたい出てきている。今年の菊花賞の出走馬は、タイプの多様性としてもまあまあだろう。人気はワンアンドオンリー(2.4倍)、トゥザワールド(5.3倍)、トーホウジャッカル(6.9倍)、サウンズオブアース(8.6倍)とここまでが10倍以内、以下トーセンスターダム、ショウナンラグーン、ゴールドアクターまでが20倍以内である。
13.0-12.0-12.0-12.0-11.9―11.7-12.4-12.5-12.3-12.4―12.2-11.7-11.7-11.6-11.6
スタートからサングラスとシャンパーニュが前へ出るが、シャンパーニュが無理をせず、サングラスの逃げとなった。サングラスの古川騎手は早くも腰を上げてしまう。ワンアンドオンリーは中団やや前の外側にいる。「かかっていた」のかもしれない。 1周目の直線に入って先頭はサングラス、続いて内マイネルフロスト、外シャンパーニュ。さらにゴールドアクター、トゥザワールド、その後ろの内にトーホウジャッカル。その次が外から順にワンアンドオンリー、ハギノハイブリッド、サウンズオブアース。トーセンスターダムやショウナンラグーンはもう少し後ろにいる。1000mの通過が1:00:9と、おそらく平均的な予想よりは速かった。 先頭のペースは落ちない。だが後続勢も離れない。この流れは2000m前後で変わり始まる。まず後方にいたサトノアラジンが内から進出しようと迫る。また同じころ先頭のサングラスのスピードが落ち始め、シャンパーニュが先頭を奪う。サングラスはそのまま後退する。ワンアンドオンリーもいよいよ前へ行きたそうなそぶりを見せる。シャンパーニュはそのまま3馬身くらいのリードを奪うがそれも長くは続かず、4角で徐々に差が詰まって行った。 直線に入ったところでまず先頭に立ったのはマイネルフロスト。しかし外に出していたトーホウジャッカルが残り300m地点で先頭に立つ。ゴールドアクターらが追うが差が詰まらない。1番人気ワンアンドオンリーも全く伸びてこない。だがここでサウンズオブアースが内から鋭く抜け出してトーホウジャッカルに食い下がる。2頭の叩き合いはそのままゴールまで続いたが、先にリードを得ていたトーホウジャッカルがそのまま押し切った。勝ちタイムは3:01:0で、ソングオブウインドの記録を1秒7も塗り替えた。
今回のレコード更新について、確かに高速馬場ではあった。だがそれまでのレコードであるソングオブウインドのときもかなりの高速馬場だったのであって、今回のタイムの価値を下げなければならないわけではないだろう。 勝ったトーホウジャッカルはこれで7戦目、菊花賞馬としてデビューからの日数では史上最短らしい。この高速レースを制したことで、「逆にスローにはめられると弱いのでは」との思いはあるが、まずは見事な勝利とその将来性に期待が膨らむ。
今回のレコードタイムの一因はサングラスの逃げにあるのだが、素人なりにこの逃げをミスと断じたい。まず始めの2Fは13:0→12:0と、いつも2F目が速くなることを思えばむしろ遅いくらいである。そこからペースが上がり、中盤もそれほどペースが落ちずに高速で流れ続けた。レース後コメントによると、古川騎手は大逃げを目指していたらしい。 私の考えでは、大逃げを狙う時は、最初か別のどこかのタイミングで、無理やりに押してでも引き離すものである。いったん引き離せば、後続も意識しない限り追撃できなくなる。もちろん無理やり押した段階での体力ロスはあるのだが、それでも後ろと離れない限り主導権を奪えない。周りに逃げの覚悟を見せたことで、共倒れを避けたい後続勢を威嚇することもできる。 今回のレースを見ると、古川騎手は早々に先頭を確保したことに安心してか、スタートから8秒の時点でもう腰を上げて落ち着いてしまっている。その後も自然なフォームで乗り続けたことで、急激なペースアップはなされず、緩やかにペースは上がり、自分はきつかったにもかかわらず後続勢は追ってきた。 もちろん無理やり押して逃げたにもかかわらず追ってこられて、もっとひどくなる可能性はあるのだが、もうそこまで心配している場合ではないだろう。逃げは自分が速くないのに後続が追ってこないのが理想なのだが、今回は逆になってしまった。
ところで、先週の秋華賞と合わせ、私は「内有利」の印象を強く受けた。トーホウジャッカルも、直線では外に出したがそれまではずっと内にいた。ワンアンドオンリーの敗因も、一つには外々を回り続けたことなのだろう。
※タガノグランパの菱田騎手は、最後の直線でサトノアラジンの進路を妨害して2週の騎乗停止。 ※トーホウジャッカルは、金曜日に単勝の大口投票があり、金曜終了時点では単勝1番人気。詳細はマラ男さんの予想の中にあります。
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