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東京スポーツ杯2歳S |
[ ☆レース回顧 ] |
|| マラ男 14/11/24 (月)22:55
人気順はアヴニールマルシェ、クラージュシチー、グリュイエール、サトノクラウンだが、新聞人気では分散傾向。馬の個体差が固まってない2歳馬であり、「将来性」とか「良血馬」などの言葉が叫ばれるのが世の常。
ラップ:12.7 - 11.1 - 11.6 - 12.4 - 12.5 - 12.7 - 12.3 - 11.0 - 11.6 上がり3ハロン:34.9(優勝馬:33.8)
スピードある馬、ペースメーカー不在。マイネルシュバリエが先頭に立つものの、全体ペースは低速。直線は切れ味勝負となり、素早い末脚がない馬が脱落し、抜け出したサトノクラウンとアヴニールマルシェの双方が先着。 今回はスピードレースでなく、直線素早い末脚が使える馬が優勢の流れ。サンデーサイレンスを祖系に持つ馬が有利の流れであるが、勝者のサトノクラウンは父ノーザンダンサー系である。仕掛けが最も遅かったのはサトノクラウンで、直線残り100mで勝負を決した。1.2着馬の差は全くないと思う。 前走10馬身差圧勝したクラージュシチーはスタート直後、ジャストドゥイングに寄られてしまい、レースの流れに乗れなかった。あとから仕掛けたサトノクラウンに切れ負け。 グリュイエールは終始折り合いを欠き、直線失速。
今年の2歳戦を見ると、勝ちタイムは速いのだが、スピードある馬が不在。全体的にスピードの低速化が目立つ。幾つかのレースではレコードタイムが記録されているが、中弛みを多い直線競馬。これはサンデーサイレンス産駒全体の特徴である「先頭に立つと気を抜く」ことを前提として、ゴール前で差すレースを教えている騎手や育成者(調教師)が多い。今の日本競馬は父サンデーサイレンス以上に、祖父サンデーサイレンス系の産駒が多く、特徴も素早い末脚や速め抜け出すと気を抜いてレースを止める馬が多い。一番の問題は気を抜いて走る馬がいることで、祖父サンデーサイレンス系が多いと、その傾向が強まり、レースも直線のみで勝負する差し馬の多くなり、その結果スピードの低速化へと繋がる。その流れを逆手にとって、新馬・未勝利戦で逃げ勝っている横山典弘騎手の存在は無視できない。リアルタイムでレースの質が変化しているので、予想する側もその流れを掴みたいところだ。
筆者個人として気になった種牡馬、ハービンジャーとエンパイアメーカー。スピードに任して押し切るワンペースがベスト。直線のみで末脚を伸ばして差し切るレースを教え込むと、折り合いを欠き、祖父サンデーサイレンス系の瞬発力争いに負けてしまう。初年度産駒の特徴を掴めてない人間側の思い違いが発生しており、乗り方見ても騎手と馬の呼吸が噛み合わない。人間側の経験値が必要で、これらの種牡馬の力を発揮できるのはまだ時間が掛かりそうだ※。
レース以外では、今週後藤浩輝騎手が復帰して勝利。一方で、勝浦正樹、ルメール両騎手が落馬事故。ルメール騎手の落ち方は佐藤哲三騎手の落馬したケースと似ており、危険な状況。今年は内田博幸騎手も落馬事故しているが、三者とも直線の追い出しのタイミングによる馬の事故であり、不可抗力とは思えないのだが。
※レース後、ハービンジャー産駒に騎乗した戸崎(クラージュシチー)と四位(スワーヴジョージ)の両騎手は伸び切れず、切れ負けしたコメントを発しており、このコメントを伺うと直線のみの末脚で勝負したかったニュアンスがあったと思う。
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