|| 倫敦納豆 14/11/30 (日)23:36
今年のジャパンカップは、前日に雨が降り、日曜は稍重から始まった。JCは良馬場で行われたが、水分の影響は幾分かあったと思われる。1つ前の1600万下(芝2000m)で、7番人気フレージャパンが最内を通って差し切ったことを考えると、内有利の傾向はあったと思う。今回のJCはその内寄りの枠に有力馬が入ることが多かった。 人気はジェンティルドンナ(3.6倍)、ハープスター(4.1倍)、ジャスタウェイ(6.7倍)、エピファネイア(8.9倍)、イスラボニータ(9.5倍)とここまでが10倍以内、以下スピルバーグ、デニムアンドルビー、ワンアンドオンリー、フェノーメノが10倍台だった。ちなみに100倍以上は6頭おり、20倍と100倍の間には3頭しかいなかった。
12.8-11.2―12.0-11.9-11.7-12.2-11.9―11.8-12.4-11.9-11.5-11.8
大方の予想通り、逃げたのはサトノシュレン。続いて外からタマモベストプレイだが、ジェンティルドンナより前で、エピファネイアが内の2番手についていることが目についた。続いてアンコイルド、さらにトーセンジョーダンとトレーディングレザー、その後にジェンティルドンナである。その後にイスラボニータやジャスタウェイ、ワンアンドオンリーらが続く。ハープスターはさらに後ろだが最後方ではなく、もっと後ろにはスピルバーグ、デニムアンドルビーらがいた。 サトノシュレンは離して逃げたかったと思われるが番手勢も離れず、前半1000mは59:6と予想を上回るペースになった。残り1000mあたりからアンコイルドまでの4頭が5番手以降を少し引き離すが、これは5・6番手のトーセンジョーダンとトレーディングレザーの後退だったようだ(トレーディングレザーはこの後故障で競走中止、予後不良)。 4角を回るところでサトノシュレンが力尽き、タマモベストプレイが先頭に立つ。アンコイルドも外から並ぼうとするが、ここでエピファネイアが悠々と両馬の間から抜けて先頭を奪う。後続勢は外からイスラボニータが出てきたが早々に伸びを失い、替わりにジャスタウェイがじわじわ伸びてきたがエピファネイアに届きそうもない。大外にワンアンドオンリーとハープスターもいたが、そこまで速くもなかった。 ラスト1Fは、最後の伸び比べというよりは、弱った馬が力尽きて脱落する場となった。エピファネイアは堂々と駆け抜けて4馬身差の完勝、後続勢の何頭かが後退する中、2着はしのぎ合いを耐えきったジャスタウェイ、最後に後方からねじ込んだスピルバーグが3着に入った。
エピファネイアは菊花賞以来の先行策である。先行しない馬が、先行有利と見て意図的に前に位置取ることはあるが、今回はペースが速めだったのでその策が有利に働いたかどうかは疑問である。スミヨン騎手は「馬が元気良すぎて前へ行ってしまった」という趣旨のコメントを出しているが、その通りで作戦ではなかったのかもしれない。また、その菊花賞でも圧勝していることを考えると、体調が良い時は前に位置取りたがるとも解釈できる(その知識を馬券に反映させられないのが残念だが)。
ところでスミヨン騎手について2つほど。まずはコメントの中で、「私が乗った日本馬の中では一番強かったと思います」とのこと。…あれ、オルフェーヴルよりも?それともその場限りのリップサービス? もう一つは、6Rでアサクサスターズに騎乗したときに、56キロ→56.5キロとなっていたこと。体重調整に失敗し、規定の体重で乗れずにこうなった模様。過怠金7万円。なお、8R以降は問題なく乗れている。
ところで、何人かの騎手が、故障したトレーディングレザーが後退する際に巻き込まれてしまったと主張しており、映像を見る限り、ハープスターは特に大きく遮られたように見える。松田博調教師は、「その際に外に出過ぎてしまったのだろう」というコメントを出している。だが素人判断で見る限り、直線で大外を走らせたのは川田騎手の判断であって、その気になればもう少し内を通ることは十分にできたように思う。
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