|| 倫敦納豆 15/06/02 (火)02:23
ドゥラメンテの2冠か、リアルスティールの逆転があるか。戦前の評価はこんな感じで、多くの馬にチャンスがある雰囲気ではなかったと思う。実際の人気はドゥラメンテ(1.9倍)、リアルスティール(3.8倍)、サトノクラウン(6.3倍)とここまでが10倍以内、以下レーヴミストラルとサトノラーゼンが10倍台である。
12.7-10.9―11.8-11.7-11.7-12.5-12.5―12.4-12.4-11.9-11.0-11.7
まず先頭に立ったのはミュゼエイリアン。しかしコメート、キタサンブラック、タガノエスプレッソも前へ行く意識があったようで、先団の走りが速くなってしまう。逃げが予想されたスピリッツミノルはスタートの少しあとで加速できず、先頭を奪えなかった。 まず先頭はミュゼエイリアン、続いてキタサンブラック、さらにコメート、スピリッツミノルとタガノエスプレッソとここまでが前のグループ。少し開いてコスモナインボール、ベルラップときてここでドゥラメンテ、さらにサトノラーゼンである。リアルスティールやサトノクラウンはもっと後ろである。 1000m通過タイムは58:8と速い。後からレースのラップを見る限りでは、このあたりでミュゼエイリアンの横山典騎手は大逃げをあきらめて、ペースを落として少しでも脚を残しておく方針に切り替えたようだ。ここから4Fにわたって12秒半ばのペースが続く。ありがたいと思ったのか前のグループから一気に先頭を奪う馬はなく、この方針転換は妥当だったようだ。ただしやはり、後ろのグループは少しずつ迫ってくる。サトノクラウン、ミュゼスルタンらは外に出した。 直線に入って、まずキタサンブラックが先頭に並びかけた。だがここはミュゼエイリアンが踏ん張る。続いてコメートが最内から少し外に出して先頭を奪おうと試みるが、一気に突き抜けるほどではない。ここでドゥラメンテが馬場の真ん中から一気に上がって先頭に立つ。内からサトノラーゼンも追いすがるが、勢いはドゥラメンテの方にある。外からサトノクラウンも追い込み、さらに後ろでリアルスティールもやってくるが、届かない。ドゥラメンテが1馬身4分の3の差をつけて、2:23:2のレースレコードで2冠目も完勝した。
そのレースレコードを更新された馬はディープインパクト、そしてドゥラメンテの父のキングカメハメハなのだが、近年のダービーの中で似たレースを思い出そうとすると、そのキングカメハメハの時(2004年)が近いように思う。ということは血統的にこういうレースが向いていたのであって、ひょっとすると前半が緩いペースだった場合は危ない面があったのかもしれない。 そのペース配分だが、始め5Fは速かったが、その後ペースが少し緩み、再加速したのはおそらく直線に入った瞬間で、特に最後から4F目はまだ再加速とまでは行かなかった。別のレースで「前半が緩かったが、残り5F時点からスパート合戦が始まって速くなっている。だから全体の走破タイムは遅くても、これはスタミナ決着なんだ」という説明がされることがあるが、そういうレースの逆なのかなとも思う。とはいえ、強調するほど途中が緩んだわけでもなく、全体としては消耗戦で、多少は瞬発力要素が加わったという感じか。
レースが終わって、新聞記事などでも少し話題になっていたのが、ドゥラメンテのデムーロ騎手がほぼ日本語でインタビューを成し遂げたことであった。騎手免許の件で日本語能力も審査対象になり、「すでに実績ある騎手に対してやり過ぎではないか?」との声が上がっていた。私も気になっていたのだが、予想以上に良好な形で解決して何よりである。 騎手でもう1件。16番人気のコメートが正攻法で5着と善戦した。乗っていたのが16年目にしてダービー初騎乗(GI全体でも4回目、うち2回がコメートの皐月賞とダービー)の嘉藤騎手だったことが小さな話題になった。
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