|| 倫敦納豆 15/07/01 (水)01:51
この日の阪神芝は良馬場だが、あまり高速ではない。人気はゴールドシップ(1.9倍)、ラキシス(5.1倍)、ヌーヴォレコルト(9.1倍)とここまでが10倍以内、以下ワンアンドオンリー、カレンミロティック、ラブリーデイ、トーホウジャッカルが10倍台である。ゴールドシップの戦績の良い部分に注目すれば、1.5倍くらいが妥当なオッズだろう。だがこの馬は性格的な不安が大きく、その点を考慮する競馬ファンは多かった。これでも人気は「不自然に低かった」のだ。
12.2―11.6-12.2-13.4-13.1-12.7―12.5-11.7-11.0-11.6-12.4
その答えは早くもスタートに現れた。全馬がそろった段階で、ゴールドシップはゲートで立ち上がってしまう。そのとき一度は元の体勢に戻ったのだが、もう一度立ち上がってしまう。そしてその時にゲートが開いた。大体2〜3秒の出遅れだろうか。ゴールドシップはすぐ巻き返しに動くでもなくそのまま最後方を走り、中盤でようやく馬群の最後方に取りつくが、その後も見せ場を作れないまま15着に終わる。 1番人気馬が自滅しようと、レースは行われる。先頭に立ったのはレッドデイヴィスだがペースは遅い。続いて外からラブリーデイ、オーシャンブルー、トーセンスターダムなど。ヌーヴォレコルトは中団より少し前、ラキシスは中団より少し後ろ。最後に見せ場を作るデニムアンドルビーはこのとき後方である。前半1000mは1:02:5。 スローで、後ろの数頭を除くと馬群は固まっている。それが残り900mくらいから、先頭のレッドデイヴィスが引き離しを図ってスピードを上げる。だが後続もここまで体力を温存できており、まだだれも脱落しないまま直線に入った。 直線に入ってまず、ラブリーデイが先頭を奪う。レッドデイヴィスも抵抗しているが少しづつ離される。内からショウナンパンドラが馬群から抜け出そうとするところで大外からデニムアンドルビーが強襲。しかしわずかにラブリーデイが残して優勝した。
確かに高速馬場でなかったとはいえ、所詮は良馬場。強調するほど遅かったわけではない。2:14:4の勝ちタイムには少々不満が残る。もちろん前半のスローペースの影響ではあるが、だからといってそれほど上がりタイムが速かったわけでもない。勝ったラブリーデイはそのスローでの2番手からの抜け出し、ショウナンパンドラは人気薄の3着は立派だが、じっと内で経済コースを走った恩恵とも言え、両者とも恵まれた印象がある。2着デニムアンドルビーはスローにもかかわらず後方から追いこんできて立派ではあった。ただしこの馬は、そういう「勝ち馬より強い戦い」はできても、現実の勝ち馬にはなかなかなれないタイプであり、今回もそのレースの一つだった。素直に褒めるにはちょっと抵抗がある。
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