|| 倫敦納豆 15/12/27 (日)23:05
先にマラ男さんの回顧文がありますが、私もせっかく書いたので載せます。
人気はゴールドシップ(4.0倍)、ラブリーデイ(4.5倍)、リアファル(6.0倍)、キタサンブラック(8.3倍)、サウンズオブアース(9.8倍)とここまで10倍以内、以下10倍台がルージュバック、ゴールドアクター、アルバートと、戦前の評価は割れた。ゴールドシップにしても複勝は3番人気であり、しかも引退レースゆえに人気が上乗せされたとも解釈でき、実際は上記の数字以上に混戦予想だった。
7.0-11.7-12.2―12.5-12.7-12.8-12.6-12.6―12.0-11.9-11.5-11.3-12.2
スタートでまず前に出たのはゴールドアクター。しかしキタサンブラックがこれを制し先頭に立ち、ゴールドアクターは引き下がった。そこへ逃げが予想されていたリアファルがやってくる。ゴールドシップはあいかわらず二の脚がつかず最後方スタートである。 先頭はキタサンブラック、続いてリアファル、さらにゴールドアクター、サウンズオブアース、マリアライトが並び、さらに内ラブリーデイ、外アドマイヤデウス。ルージュバックはもう少し後ろ、ゴールドシップは最後方である。1000m通過が1:02:4と遅い。 レースは残り1000m、ゴールドシップが最後方から前への進出で動き始めた。そこから2ハロン弱で一気に押し上げてきたが、前の馬も速度を速めた影響で先頭までは立てない。特にマリアライトが反応して、ゴールドシップを内に入れないようにブロックした。 マリアライトはそのまま先頭に並びかけるがキタサンブラックも譲らない。ゴールドシップはここから勢いで負け始め、リアファルは早くも後退。内の3番手をゴールドアクターが奪い返し、後方ではアルバート、ダービーフィズ、ラストインパクトが大外からの進出を狙う。 直線に入って、キタサンブラックとマリアライトの叩き合いに、ゴールドアクターが迫ってくる。内ラブリーデイ、外サウンズオブアースも迫るが少し遅れている。ゴールドアクターが先頭に立ち、サウンズオブアースの追撃を振り切り、クビ差で有馬記念を制した。
ゴールドアクターとサウンズオブアースは近いところに位置取り、共に最後に伸びていたのだが、サウンズオブアースの方が伸びるタイミングが遅れて勝利を逃した。どうも後退するリアファルを交わしあぐねて遅れたようだ。着差を考えると痛恨である。そしてゴールドアクターは番手の内をずっと通り、直線早目に抜け出す、有馬記念の黄金パターンであった。
以下に感じたポイントを記す。 (リアファル) 逃げる可能性が最も高いと思われていたリアファルだが、逃げずに番手に控えたばかりか真っ先に脱落し、最下位となった。先頭に行けずにリズムを崩したとかではなく、単に体調不良だったり小さな故障があったりで、弱かったから大敗して弱かったから逃げの体勢も作れなかったのではないだろうか。ただし逃げたところで、今回のキタサンブラックと同じようなペースが予想されるので、リアファルの弱さが勝負全体に与えた影響は小さかったと見る。 (ゴールドシップのまくり1) ゴールドシップが3角で前に来たことでマリアライトが反応し、レースが一気に動いた。キタサンブラックを最後まで抜けなかったことを考えれば力負けではあるのだが、もしもあの時点でまだ死んだふりをしていれば、他力ながらワンチャンスがあったかもしれない。2012年のエリ女を思い出す場面だった。 (ゴールドシップのまくり2) ゴールドシップが上がっていくにつれ、抜かれた馬たちがゴールドシップの後を追い始めた。もしもそれが戦前から用意していた作戦だとすればこんな感じだろう。「ゴールドシップが後方から先頭まで行けばレースが大きく流れる。それならゴールドシップのさらにあとを追いかけた方が有利だ。レースを壊してくれればその後を通って2、3着に入りやすいし、ゴールドシップがラストで止まれば1着があるかもしれない」 だが今回のゴールドシップはそこまで強くなく、レースはそれほど壊れなかった。そして同じことを考えた騎手がアルバート、ダービーフィズ、ラストインパクトと3頭いたことで、彼ら同士の位置争いで消耗してしまったように見える。着眼点は悪くないように思うが、勝負は甘くなかった。
最後に勝利騎手インタビューについて。ゴールドアクターは最初に先頭に立ちかけるなど、レース内容について話してほしいことはあった。インタビュアーがレース内容に触れないのは残念であった。特に「キタサンブラックが来なければ逃げるつもりだったのか」は聞きたかった。
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