|| そらはい 16/06/05 (日)19:31
久々の回顧投稿。
G1四つを含む7連勝中の昨年の年度代表馬モーリスが登場。 状態面の不安が囁かれる中、それでも勝ち切れるのか?というのが戦前の注目ポイント。単勝オッズは1.7倍で断然の一番人気。
前走ドバイの地で悲願達成したリアルスティールがこれに続く2番人気(4.5倍)。 初マイルだが、だからこそマイル戦線で敵無し状態のモーリスに土をつけるとしたらこの馬ではないか?という期待もあって単勝が売れた。
3番人気に前哨戦の京王杯SCが強い勝ち方だったサトノアラジン(5.5倍)。 4番人気に近走不振もマイルに戻って変わり身期待のイスラボニータ(11.6倍)。5番人気がM.デムーロ騎手騎乗のロサギガンティア(19.7倍)。
ゲートが開くと内の方でロサギガンティアが1馬身ほどの出遅れ。 好スタートを切った武豊騎手騎乗のディサイファが逃げかけたが、それを制してロゴタイプが先手を奪う。 ディサイファ、コンテントメント、モーリス、リアルスティールあたりが2番手争いで横並び。 モーリスがカカリ気味にこの集団から抜け出し単独2番手、ディサイファが3番手。 モーリス以上にカカってしまったリアルスティールを福永騎手が必死に抑えながら4番手。 以下コンテントメント、イスラボニータ、クラレント、フィエロ、サトノアラジン。 フィエロも少しだけ行きたがる素振りを見せて内田騎手がなだめている。 後方にレッドアリオン、ダノンシャーク、一番後ろから出遅れたロサギガンティア。
3、4コーナーに差しかかりイスラボニータが大外を回しながらもうたまらない、という感じで進出。絶好の手応えだ。 直線に向くと逃げたロゴタイプがスパートを開始。リードを3馬身4馬身と広げていく。 人気のモーリスはベリー騎手がゴーサインを出したが2番手集団からなかなか抜け出せない。 内からはディサイファとダノンシャークが伸びている。リアルスティールは早くも失速。 残り1ハロンを切ってもまだロゴタイプのリードが3馬身から4馬身ある。 このあたりからようやくロゴタイプの脚色が衰えはじめ、2番手のモーリスが前との差を詰めにかかる。 見せ場を作ったディサイファとダノンシャークの脚色は鈍り、変わって外からフィエロ、イスラボニータ、サトノアラジンらが突っ込んでくる。
最後は後続に差を詰められはしたが、早めにセーフティリードを作ったロゴタイプが1馬身1/4の差をつけたまま押し切ってグレードワン3勝目。 際どくなった2着争いは人気のモーリスがなんとか死守。3着に上がり最速33秒5の脚で追い込んだフィエロ。 サトノアラジンは直線で少し狭くなる不利もあったが、2・3着とはタイム差無しの4着と力は見せた。 イスラボニータはラスト100mで止まって5着。早めに動いたぶんもあったか。
勝ちタイムは1分33秒0。良馬場発表とはいえ馬場が緩かったことを考えれば、平年並のレベルではある。 それにしても1000m59秒1は古馬のG1としてはスロー。不良馬場で行われた一昨年と並び、ここ10年の安田記念で最も遅い1000m通過タイムである。 この展開を見越したものかどうかは定かではないが、積極的に押して出て行った田辺騎手の好騎乗が勝因の一つであることに疑いようはあるまい。 もともと気難しいところのある馬で、間隔も前走から二ヵ月空いていた。そして逃げ馬不在の今日のレース。 仮に控えていたら力を出し切れていたかどうか?他の有力馬が軒並み折り合いに苦しんでいたレースだからこそ尚更そう感じた。
人気のモーリスは前半からリズムが悪かった。直線での反応もいつもより鈍い。 戦前から言われていた通り、身体面でもメンタル面でも完調ではなかったか。 鞍上のベリー騎手もコメントしているように2着を確保したのは力の証明だろう。
リアルスティールは外枠のせいなのか、久々のせいなのか、マイル仕様の調整を行ってきたせいなのか。 スタートしてポジションをとりにいったところで火がついてしまい、最初の2ハロンでもう終わってしまった感がある。
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