|| 倫敦納豆 16/06/28 (火)01:47
人気はドゥラメンテ(1.9倍)、キタサンブラック(5.0倍)、アンビシャス(9.1倍)とここまでが10倍以内、以下ラブリーデイ、シュヴァルグラン、トーホウジャッカル、ステファノスが10倍台である。阪神は(東京も)開催最終日で芝が傷んでおり、Bコースでもまだ内側の部分の荒れが感じられた。
12.6―11.0-11.1-12.3-12.1-12.4―12.3-12.2-11.9-12.2-12.7
スタートでキタサンブラックは出ようと思えば出られる状況だったが、少しの間だけ他馬の出方を伺った。ワンアンドオンリーやカレンミロティックも前につける姿勢は見せたが先頭に立つ様子はなく、キタサンブラックが逃げる形になった。 この経緯から前半は遅いのかと思っていたが、1000m通過が59:1と(馬場状態を含めればなおのこと)速かった。2F目が速いのはいつものことだが、3F目も速かった。もしかすると、キタサンブラックの武豊騎手が1〜2角で引き離す形の大逃げをもくろんでいて、後続がそれを許さなかったのかもしれない。 隊列の先頭はキタサンブラック。続いてワンアンドオンリーでその後ろにトーホウジャッカルとアンビシャス。以下サトノノブレス、シュヴァルグラン、カレンミロティック。さらにラブリーデイ、ラストインパクト、フェイムゲーム、マリアライト、ステファノス。その後ろにドゥラメンテ、サトノクラウン、ヒットザターゲット、ヤマカツエース。最後方にタッチングスピーチ 残り800mあたりから、先行勢がキタサンブラックのペースについて行けず崩れ始める。レース中盤あたりからカレンミロティックが徐々に下がっていったのに加え、ここでトーホウジャッカルも後退。ワンアンドオンリーは手を必死に動かして踏ん張っているが明らかに限界が近い。代わりに外からサトノノブレスとラブリーデイが上がる。さらに後ろからマリアライトがやってきた。ドゥラメンテはまだ馬群で動かない。 直線に入って、キタサンブラックが先頭。アンビシャスとワンアンドオンリーは突き放されて、2番手との差は広がった。ラブリーデイが2番手に上がり追いかける。その内にステファノス、外にマリアライト。ようやくドゥラメンテが外に出して追い出し始めたが、ちょっと遅かったか。 だがここでもキタサンブラックが粘り腰を見せる。残り100mでラブリーデイとステファノスが先に止まってしまった。しかしマリアライトはそのまま突き抜け、先頭でゴールした。ドゥラメンテは最後に猛追し、キタサンブラックをわずかに交わして2着になったところがゴールだった。
マリアライトは昨年のエリ女に続くGI2勝目だが、距離適性としては2200mより長かったのが、レースが消耗戦になったことで勝機が広がったような勝ち方に見えた。個人的にはこの宝塚記念が今年上半期のベストGIになったと思っており、その勝者を祝福したい。 ドゥラメンテは脚さばきがキビキビしていない。馬場不適合か体調不良が考えられる。キタサンブラックはあのペースでよく3着に残れたものだ。また、天皇賞に続いて最後にかなりの粘りを見せたが、これが単純に馬のタイプによるものだけなのか、武豊騎手がわざと最後に脚を少しだけ残しているのか、馬の引退後に語ってもらいたいものである。 勝ち馬と同タイムではないが、ラブリーデイも「ひょっとしたら勝てたかもしれない馬」の1頭に思えた。昨年の勝者とはいえ適正距離ぎりぎりで、スタミナが問われる展開で限界を露呈したのだろう。騎手は責められないし、完全に結果論として言うが、マリアライトの少し後ろから追い始めていれば勝っていたかもしれない。
ところで本馬場入場のときに、出走馬紹介で馬名を利用したコメントをするのはむしろ好きで、一般論としても好ましいことだと思っているが、マリアライトについて「虎視眈々と『マリア様がみてる』」は評価できない。昨年のマイルチャンピオンシップでのレッツゴードンキについて「距離をディスカウントでスピード全開」はそういう馬名由来だからよいが、マリアライトの馬名由来はマリみてではないだろう。
最後に、先にマラ男さんの投稿があったが、今回の馬場が重馬場であったと主張されている。もしもタイム分析からの主張であるなら、私は異を唱える。 良、重などの馬場評価は、芝や砂の中の水分を評価したものであり、時計の速さに関する要素の全てではない(重要ではあるが)。同じ稍重でもかなり時計がかかることはあるし、速くなることもある。例えば阪神の今開催2日目は重・稍重だったが、芝が傷んでいないので時計は結構出ていた。逆に今回は芝の傷みがあったため、水分はそこまで多くなかったが時計は遅かった。それではいけないのだろうか。
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