|| 倫敦納豆 17/05/31 (水)01:44
戦前の単勝オッズとラップタイムはマラ男さんの文章を参考にしてください。
逃げを予想されていたのはクリンチャー、トラストあたりだったが、マイスタイルが前に出る。最初の2Fもさほど速くないのだが、他馬が先頭を争う気配もなく、あっさりマイスタイルの逃げで落ち着いた。そのマイスタイルにしても大逃げをするわけでもなく、早々にペースを下げている。 2番手トラスト、続いてアルアイン、ダンビュライト、ダイワギャグニー、クリンチャーといったあたりがグループを形成する。前半1000mは1:03:2とあからさまに遅い。 逃げ馬が欲しくないのは人気、と言われるが、逆に欲しいのは弱い馬が番手につくことだ。無礼を承知で言うが、トラストはその条件を満たしていた。だが勝負はそこまで甘くない。映像の58〜59秒あたりで、後ろから5頭目あたりにいたレイデオロが急に前へ進出し、1分7秒〜1分10秒あたりで2番手の外を確保して進出を停止した。 これに続いてペルシアンナイトも前へ押し上げたが、その次に進出しようとしていたアドミラブルまでは上がれなかった。というのも、レイデオロが2番手に並ぶところまで来たことで、先頭のペースが上がってしまったのだ。 このままペースが上がった状態が続けば、レイデオロは超ロングスパートをしたのと同じことになる。レイデオロにとっては厳しい。後ろの馬たちもそれを期待したのだろう。だが、ペースは再び落ち着いた。妄想するなら、「マイスタイルの横山典騎手とレイデオロのルメール騎手が、『今は遅い方がお互いに有利だ』ということに気付き、しばらく争うのをやめた」のかもしれない。後方の馬の命運はここで尽きた。 再びペースが上がったのはおそらく残り3F地点より先で、直線に入ったあたりではないかと思う。後続勢が馬場の中央に移る中、マイスタイルは内ラチ沿いを選び、馬名通りに自分の信じる道をゆく。馬群からはレイデアロが前に出て、外からスワーヴリチャードが迫る。その後ろにアルアイン、ダンビュライト、ペルシアンナイトがいるが、先頭を奪う勢いはない。大外からアドミラブルがようやくやってきたが届かず、レイデオロがスワーヴリチャードを抑えてダービーを制した。勝ち時計は2:26:9。
勝ちタイムは、青葉賞、オークス、青嵐賞より大幅に遅い。これは脚力で劣ると予想されたマイスタイルが逃げ、何とか勝つために徹底的にスローペースにし、他馬もあえて潰そうとしなかったためである。競馬ファンの中には、このようなレースを嫌う人は多いが、それでも勝者がレイデオロ、という結論を嫌う人は少ないのではないかと思う。スローペースを感じて、自分から前へつけて有利な場所を取ろうとしたのだから。
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