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天皇賞・春 |
[ ☆レース回顧 ] |
|| マラ男 18/04/29 (日)20:10
今年の天皇賞春は混戦。有力馬の中距離巧者が中東ドバイ、或いは香港クイーンエリザベスへ。また、サトノダイヤモンド、キセキの菊花賞馬が回避。早くからこのレースを目標としたシュヴァルグラン(3.0)は3年連続出走し、去年はジャパンカップ制覇したものの、多くの方が「キタサンブラックがいないレースで勝ち切れるか」の懸念が強く、混戦に拍車をかけた。レインボーライン(6.0)は前哨戦阪神大賞典を制覇したが、善戦ホースの域でしか評価できず。ガンコ(6.6)は我慢強い先行力で日経賞勝利も昨年末から月一出走で疲れが懸念。クリンチャー(8.0)は急な乗り替わり(武豊→三浦)。競馬有識者の中では人気者でルメール騎乗魅力のアルバート(10.1)。チェスナットコート(11.4)は日経賞を大外回しながら鋭い脚と内枠2番引いたことで人気。絶好調藤原厩舎とミルコ騎乗のトーセンバジル(11.6)。カレンミロティック(39.3)は一昨年にキタサンと互角の勝負したことが評価(意外にも)されなかった。 一週間前の人気予想と当日のオッズとではファンの評価が大きく割れた。混戦に困惑するもの、嬉しがるもの、有力馬が出走しない苛立ちもあるかもしれない。私は困惑するほうだが…
ラップ:13.0 - 11.2 - 11.4 - 12.0 - 12.5 - 12.3 - 12.0 - 13.2 - 12.6 - 12.6 - 12.8 - 12.6 - 12.1 - 12.1 - 11.4 - 12.4
スタート切られるとヤマカツライデンとトミケンスラーヴァが互いに譲らずに先行争い。直後にガンコ。6枠のシュヴァルグランが積極策4番手。カレンミロティックが5番手。ソールインパクト、ミッキーロケット、クリンチャー、チェスナットコート、トーセンバジル、アルバート、サトノクロニクル、ピンポン、レインボーライン、シホウ、トウシンモンステラ、スマートレイアー最後方。1回目の3.4コーナーでは縦長。向正面では凝縮。ヤマカツライデンの1000m通過60.1秒(スロー前走大阪杯は61.1秒)。シュヴァルグランが先行して目標がいることで平均ペースで流れる。 1.2コーナー回るとトミケンスラーヴァが遅れ始め、ヤマカツライデンが単独先頭へ。馬群がスローに落ちるが見るやサトノ、トーセン、アルバートが外から位置をあげていく。残り1000m通過でヤマカツ単独、馬群は6頭分広がり11.5秒台のラップでスパート開始。直線に入りシュヴァルグラン先頭、突き放せない。後続も追い上げるのも勢いがない。100m切ってレインボーラインが内から突き抜けてゴール直線に首差で先着。だが、ゴール後にレインボーラインの岩田騎手が下馬。負傷したようだ。
シュヴァルグランが先行策を取ったこと、最後まで粘り通したことでスタミナ勝負になった。良馬場ながら上がり3ハロンは36.3(12.1 - 11.4 - 12.4)。末脚はスタミナとパワー勝負となった。要求されるパワーとは中距離以下を速く走る、地面を踏み込む底力。消耗戦寄り宝塚記念のような流れとなった。このような流れの場合は先行馬は苦しく、シュヴァル以外は全滅した。積極的な先行策取らなければの勝利した声ありだが、レインボー以外は全て倒しているので評価したい。 レインボーラインは後方から5.6番手で脚を貯め、2回目の3.4コーナーでは内をすくえないから外へ回す。そして、内斜めに切り込み、最後は真横に曲がる。真横に曲がるプレーは岩田独特のもの。
今回の天皇賞は見ごたえある好レースだった。いろいろ詰まるものがあって、困惑の中で見ていた。勝者のレインボーラインは残念ながら表彰式に出れなかった。このことで気持ちが晴れたわけでないが、勝者以外にもこのあとで好レースをしてくれればレインボーライン、シュヴァルグランらを立派なGIホースとして立ててくれるだろう。
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