|| 倫敦納豆 19/04/14 (日)23:40
マラ男さんと重ならない部分が多いので私も少し回顧を。
スタートではメイショウテンゲンが少し出足がつかず後方に。その他の馬は自分の意志で前か後か選べた模様。先頭を狙ったのはランスオブプラーナとダディーズマインド、少し遅れて外からやってきたクリノガウディー。結局この順の隊列となり、内の4番手にダノンキングリー。続いてアドマイヤマーズ、ヴェロックス、ファンタジスト、クラージゲリエ、その後ろにサートゥルナーリアがいた。前半1000mは59:1で皐月賞にしては速く、前後半が同じくらいのタイムになることが予想された(事実そうなった)。馬群は前が固まり、後ろは多少の隙間があるものの全体としての前後差は小さめである。 後ろからタガノディアマンテが前へ行く姿勢を見せた程度で大きな動きもなく4角に入る。ここで先頭だったランスオブプラーナが限界になり、先頭を譲る。先頭はダディーズマインドとクリノガウディーだが、その外でヴェロックスが待ち構えていた。 直線に入って先頭はヴェロックス。だがその外にサートゥルナーリアがもう近づいている。ダノンキングリーも逃げ潰れたランスオブプラーナを交わし、ダディーズマインドの内から抜けて追撃態勢に入った。残り200mでサートゥルナーリアは一気に追いついたが、ここからヴェロックスが粘る。アドマイヤマーズもやってきたが抜ける勢いはない。内でひた走るダノンキングリーがいったん先頭を奪ったように見えたが、サートゥルナーリアとヴェロックスがもつれるように伸び合い、3頭ほぼ並んでのゴールとなった。
まず1位入線は外のサートゥルナーリア、2着争いは内のダノンキングリーと中のヴェロックスがほぼ並んでいるが、サートゥルナーリアの影に隠れたためよくわからない。ここでヴェロックスへの妨害を理由とする審議であることの放送があった。つまり、加害馬はサートゥルナーリアである。そしてこの時点では、2位入線がどちらなのかの判定もできていない。 降着となった場合、ヴェロックスの入線順次第でサートゥルナーリアは2着にも3着にもなり得る。ヴェロックスが2位入線だった場合、降着認定後の着順はヴェロックス→サートゥルナーリア→ダノンキングリーの順になるが、ヴェロックスとダノンキングリーの間が僅少差だったのにその間にサートゥルナーリアが入り込む形になるのはネタとしては面白いな、と個人的には思っていた。 やがて掲示板の2着の場所に7番(ヴェロックス)、3着の場所に4番(ダノンキングリー)が入った。そしてサートゥルナーリアの着順変更もないことが報告され、順位が確定した。
サートゥルナーリアは圧倒的な人気に応える形になった。実力の高さは証明したが、現時点で怪物レベルではなかったと感じた。また、種牡馬ロードカナロアという視点で考えて、1年上のアーモンドアイに続いて「母馬が中長距離のGI馬なら、産駒も2000mは大丈夫」であることを証明した。無責任な立場での発言だが、菊花賞には出てきてほしいものだ。 審議の件についてだが、そこまで大きな妨害ではないと感じた。ただしその妨害がなければ着順が逆だった可能性は十分にあった…というか、高かっただろう。だが確実に逆だったとまでは言えない。現行ルールでは、「妨害がなければ確実に順位が逆だったときのみ降着にする」ことになっているので、ルール通りの裁定である。また、それほど大きな妨害ではなかったにもかかわらず審議をしたのは、現行ルールでは「現実の着差が小さいほど、逆転の可能性があったことになるため降着の可能性が増す」からだろう。個人的にはこの降着ルールは支持していない(※)が、担当者はルールに忠実に動いているのだとは思う。
ヴェロックスの粘りには驚いた。いったん先頭に出た馬が外から前に出られて、あそこまで粘れるのはめったにない。上り坂に強いとも考えられるので、坂を上ってからが長い東京で過信するのは禁物か? ダノンキングリーの内にこだわった、内を抜けていく騎乗は個人的には見ていて好きで、好騎乗に思えてしまう。ただディープインパクト産駒ということを考えると、こういう窮屈でこす辛い騎乗が向いていなかった可能性はある。
(※)一定以上の妨害があった場合は、現実の着差と無関係に降着または失格であるべきと考えています。ルール変更当時、「妨害の責任を馬券購入者にまで負わせるべきでない」という論調がありましたが、「競技である以上妨害は禁物。妨害をする馬(騎手)の馬券を買う方が悪い、で納得すべき」と考えています。
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