|| DAVIDBOWIE 04/5/30 16:51
久々に「これぞ競馬」というレースを見た気がする。
各馬・各ジョッキーが「勝ちに行く」競馬で、直線の攻防はまさに死力を尽くした叩き合いとなった。
良いレースだったと思う。
前半はマイネルマクロスの大逃げ(1,000メートル通過57.7)、5馬身ほど離れてメイショウムネノリとコスモバルクが追い、その後はばらばらと各馬が続く縦長の展開。
他の人気馬はほぼ中団あたりを追走し、申し分のない位置どりに見えた。
4角手前でマイネルマクロスが後退する一方、コスモバルクが徐々に進出し先頭に立つが、直線入り口では外へ逃げるような仕草を見せ、さらに内にささり伸びが止まる。
直線馬場の6分どころからキングカメハメハ、さらに外からハイアーゲームが並んで先頭に踊り出て激しい叩き合い・・・も束の間、一気にキングカメハメハが突き放して先頭に立ち、焦点は2着争いに。
コスモバルクの内、昨年のネオユニヴァースのビクトリーロードを突いてきたデムーロ/ダイワメジャーも直線半ばで力尽き、外から追いこんできたスズカマンボ、キョウワスプレンダの更に外、8分どころから一気の追いこみを見せた横山典弘/ハーツクライが2着に突っ込んだところがゴール。
終わってみればキングカメハメハ(無印)の圧勝だった。
NHKマイルとの変則2冠を達成し、しかも両レースともレコードでの勝利。
これまで3歳春の時点でここまでのパフォーマンスを見せた馬がいたか・・・。
現時点での同世代最強を高らかに宣言し、今後のローテーションに要注目だ。
(ダンスインザムードが参戦を表明している宝塚記念に出てくれることを祈る)
2着のハーツクライ(△)は懸念されていた馬体減はなく現時点で最高の出来に写ったが、まだ馬体は薄く身が入りきっていない印象を受けた。
晩成型の血統であり、(皐月賞大敗で露呈したような)若さ・か細さが抜けてくれば凄い馬になるかもしれない。
青葉賞の完勝で自信をもって挑んだハイアーゲーム(◎)は3着に敗れた。
Hペースの差し比べ、時計の出る府中の2,400は絶好の舞台であり、蛯名騎手の騎乗もけちのつけようのないものだったと思う。
坂をのぼるあたりからキングカメハメハに突き放されたのはまさに地力の違いであり、今日のところは完敗と言わざるを得ない。
瞬発力・推進力は相当のものを持っているが、ここぞというところで踏ん張りが効かないあたりがこの馬の現時点での限界なのだろう。
秋に期待したいが、菊花賞の舞台・淀の3,000で上位2頭との差がつまるとは考えにくく、今後の展望に若干暗雲が広がりつつある印象。
地元北海道の夢を背負って走ったコスモバルク(○)と五十嵐騎手にのしかかった東京優駿・日本ダービーの歴史と重圧は予想以上に大きかった。
パドックでは皐月賞よりむしろ落ち着いているくらいだったが、返し馬で騎手の意思に反して首を曲げ外ラチににじり寄っていったあたりから、両者の緊張感が手に取るように伝わってきた。
パドック周回が終わる頃にラフィアンの岡田代表からかなり長い間指示を受けていた五十嵐騎手。
おそらく皐月賞の再現だけはさけようと、陣営は悔いのない積極的な競馬を考えていたのだろうが、それにしても今日の競馬は無謀としかいいようのない内容。
気性面もふまえて今後は2,000メートル前後のレースに出走してほしいと思うし、その辺りの距離ならまだまだGI制覇の可能性はあると思う。
晴れてダービージョッキーとなった安藤勝巳騎手。
彼がこの府中2,400・オークスの舞台に地方騎手として立ち、コスモバルクと同じ地方所属ライデンリーダーで果敢に先行、儚く馬群に飲まれてから約10年。
競馬の醍醐味を感じた第71回日本ダービーだった。
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