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2023 皐月賞 || 倫敦納豆 23/4/17 01:54 　 　牡馬クラシック第一弾の皐月賞だが、2歳女王のリバティアイランドを始め、3歳重賞の勝ち馬の多くが参戦した桜花賞と比べると、寂しさは否めない。3歳重賞勝ち馬は参戦したが、朝日杯勝ち馬ドルチェモアはニュージーランドトロフィー(7着)に、ホープフルS勝ち馬ドゥラエレーデはUAEダービー(2着)に出走している。皐月賞軽視論は個人的に好きではないが、今回の馬場が重だったことで、その思想が再燃してこないかと警戒している。 　人気はファントムシーフ(共同通信杯：3.8倍)、ソールオリエンス(京成杯：5.4倍)、ベラジオオペラ(スプリングS：6.3倍)、フリームファクシ(きさらぎ賞：7.7倍)、タスティエーラ(弥生賞：9.0倍)、タッチウッド(共同通信杯2着：9.6倍)と6頭が10倍以内の大混戦、さらにホウオウビスケッツ、シャザーン、トップナイフが10倍台である。 　なお私は南関東の中に住んでいるが、この日の昼に局地的な強い雨の直撃を受けた。JRAのHPを見ると、中山は11Rは晴れで重馬場、９Rで雨、12Rで小雨となっているが、この９Rの雨は中山競馬場にどの程度直撃し、影響を与えていたかはわからないが、この点はご了承願いたい。 　12.3-10.9-11.9-11.6-11.8−12.4-12.5-12.7-12.5-12.0 　スタートが悪かったのは立ち上がり気味だったワンダイレクトとゲートから出るタイミングが遅れたトップナイフ。逃げが予想されていたグラニットの出足は良く、そのまま逃げの体制になった。2番手争いはベラジオオペラ、外からタッチウッド、内からグリューネグリーン、続いてダノンタッチダウン。その後はタスティエーラ、ホウオウビスケッツ、さらにラスハンメル、メタルスピード、フリームファクシ、ファントムシーフが続き、ショウナンバシット、シャザーン、ウインオーディンと来て、ソールオリエンス、トップナイフ、ワンダイレクト、最後方にマイネルラウレアである。前半1000mは58.5で、ペースの善悪をめったに語らないアナウンサーが「この馬場では少し速いかもしれません」と言うほどであった(発言すること自体の善悪はともかく、内容は妥当だった)。 　4角でまずダノンタッチダウンが先行勢から脱落、タッチウッドが先頭を奪いにかかる。ベラジオオペラも苦しそうだ。代わりにホウオウビスケッツが内から上がろうとするも、さらに内からショウナンバシットが乗り出してきた。 　相当数の馬が外へ広がって直線に入る。ハイペースと重馬場にもがく馬たちの中で抜け出たのはタスティエーラ。内でショウナンバシット、外でメタルスピードが食い下がるが差がついていく。だが大外に出していたソールオリエンスが一気に突き抜けてタスティエーラを交わして優勝。3着に追い込んだファントムシーフが入った。 　今回のレースを短い言葉でまとめると「中立の立場で見ていても面白いレース」だった。こういうレースは戦後の評価も各人によって大きく変わることが多いのだが、私も愚見を晒したい。 　まず勝ったソールオリエンスだが、ハイペースで先行勢が苦しむ中での後方一気での勝利であり、今回は騎手の勝利との印象を受けた。もちろん全馬中最速(35.5。2番目は36.4である)の上りを出しており弱いわけがないのだが、現時点ではまだ抜けて強い段階までは行っていないと思う。ただしこれがまだ3戦目であり、完成度の低い状態で走っていた可能性が高いことから、今後GI勝利を積み重ねていく可能性はあるだろう。また、中山っぽさをそれほど感じなかったので、ダービーでできるかどうかはわからないが、他の競馬場でも強さを見せてくれると思う。 　2着タスティエーラは先行勢壊滅の中での6番手からの2着で、評価はできる。ただしこういう押し切り型の馬はダービーに限ればあまり向いていない気がする。どこかで狙いたい気持ちはあるが、秋以降に取っておく。 　今回が乱戦になった原因は、荒れて濡れた馬場に対してグラニットがハイペースで逃げたこと、そしてタッチウッドの積極的すぎる動きに他馬もついていったことが挙げられるだろう。タッチウッドはスタートからしばらく外を走っていたりして、制御できない馬のようだ。どこかで素質が花開くことはあるかもしれないが、それがダービーである可能性は低そうに思う。

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