|| DAVIDBOWIE 03/12/29 21:24
アンカツの秘策はやはり「逃げ」だった。
スタート直後、逃げる姿勢を見せるタップダンスシチー。 これに対し、一周目の4コーナーすぎで外から交わし先頭、JCの敗戦(と言っても2着だが)を糧に、ザッツザプレンティの最大の長所であるスタミナを発揮させる戦法であり、かつ強敵タップのホームコースである「埒沿い」を走らせないという一石二鳥の戦法。
しかし、これにさらに外から武幸四郎とアクティブバイオが絡んできたのは誤算だったのではないか。結局ザッツは折り合いを欠き、1,000メートル58.4、1,600メートル1.36.1と有馬記念史上最速のハイラップを刻む事となってしまった。
2週目3コーナー過ぎで早くもアクティブは脱落、変わって先頭を目指すタップの外から豊とリンカーンが強気の仕掛け、4コーナーでは先頭に。これを追って内からゼンノロブロイ、外からシンボリクリスエスが迫るが、脚色はクリスエスが圧倒的に優勢で、直線半ばからはまさに独走で9馬身差の圧勝。リンカーンがしぶとく粘って2着を確保、展開的にはリンカーンをかわせたはずのゼンノロブロイは結局交わしきれず3着。道中ぽつんと離れた最後方を進んだツルマルボーイは追いこむも4着まで。
「マーク屋」ペリエがどれをマークするかも一つのポイントであったが、この展開である意味「全馬をマーク」できる絶好のポジションにつけ、最後は豊を見て抜け出す、という来日当初から続けているパターンで理想の流れに。クリスエスの力も100%発揮されたが、ペリエの良さも100%発揮され相乗効果での圧勝だったように思う。ビジネスライクな引退は非常に残念だが、タニノギムレットの離脱以降中長距離戦線を牽引してくれた最強馬に賛辞を送りたい。
2着リンカーンは横山典から武豊に替わり別馬のようなレース振り、「勝負どころで思いきって勝ちに行くレースをしました」とはレース語の武豊。この自在性は今後も大きな武器になるだろうが、しかしクリスエスとの差9馬身。来春以降の「大将格」の太鼓判を押すには何か物足りない面も残った。もう一歩の成長がほしい。
3着ゼンノロブロイ、リンカーンを抜けなかったのは馬体重(12キロ増)もあるが、やはり距離適性の差か?ダービー2着の実績はあるものの、菊花賞でも不利があった後この馬の瞬発力を発揮できなかったように、やはりベストは中距離か。
4着ツルマルボーイは展開に最高に恵まれての結果であり、得意ではない右回り、ぎりぎりの距離2,500とは言え、2着にはあがってほしかった。(馬券的にも)逆にこの馬に抜かせなかったのが2・3着馬の唯一の希望か。
|
|