|| 名も無き競馬ファンT 04/10/31 18:03
レース回顧は初めてとなります。よろしくお願い申し上げます。
週末の雨模様で馬場がどうなるかという問題があったが、結果としては内側の馬場は予想ほど荒れておらず、比較的先行馬が残るという印象だった。そのうえで前半のペースが60秒台とそれほど速くないペース。結果として前残りの展開になったことと、各騎手の志惑・駆け引きの結果、波乱が生まれたという印象だった。
勝ったゼンノロブロイは、素晴らしいパフォーマンスで快勝した神戸新聞杯以来約1年ぶりの勝利となった。その後はG1でも、G2でもあと一歩の内容だったが、今日は見違えるような伸びを見せた。直線ゴーサインに応えて馬場中ほどを突き抜け、ついに悲願のG1制覇を果たした。 もちろんペリエ騎手の無駄の無いレース運びや力強い追いっぷりも素晴らしかったが、今日の内容、並びに前年神戸新聞杯の内容を見る限りではこの2000mがベストの条件だったのかもしれないとも感じた。 次走はJCが示唆されている。藤沢厩舎の天皇賞馬は、バブルガムフェロー、シンボリクリスエス共にJC制覇はならなかった。それだけに今日の勝利がいよいよ本格化なったと見るか、それとも条件がベストだったと見るか、その判断がこの馬の次走の取捨選択にもつながると思う。
2着のダンスインザムードには驚かされた。3歳牝馬の2着というのは過去にも例がなく、無謀な挑戦と見る向きもあったのは確かだが、叩き2戦目、前残りの展開で内を突いて出たルメール騎手の好騎乗、54kgの軽量など様々な好条件の上での2着だと思う。 もうひとつ好条件があるとすれば2コーナーポケットからの発走だったこと。思い出してみると人気を裏切ったオークス、秋華賞はいずれもスタンド前からの発走であり、そのときのレース運びを思い出すと、スタンドの異様な歓声や雰囲気が影響してレース前から必要以上にテンションが上がって余計な力を使ってしまい、終いの伸びを欠いたような気がする。 おそらく能力的には牝馬3冠が可能だったと思うが、そういうデリケートな面が安定した走りができないという弱みにつながっていて、今日は条件がハマって強敵相手に好走したという印象がある。
3着のアドマイヤグルーヴも内を回っての鋭い伸びを見せた。前走比−12Kgで心配したが、結果的には京都大章典をひと叩きして仕上がっていたのだろう。2着馬・3着馬は牝馬ということもあって人気もあまり無かったので、騎手が余計な色気を持たず経済コースを回ってきたのが好走につながったのかもしれない。
前年2着のツルマルボーイは4着だった。比較的緩いペースの中、後方待機勢では最先着。能力の高さを見せる内容となった。自分で動いて味のある馬で無いだけに今回は仕方ないが、秋のG1残りも、展開がハマればもう一度栄冠を勝ち取ることを期待したい。逃げたローエングリンは上手なレース運びで5着まで。好内容だったが、全盛期の力は無いような印象で、今日はここが限界かもしれない。
後方勢は外差し有利と言えない馬場条件で外を回り、このペースでは出番が無いのも仕方がないという印象だった。その中で6着ナリタセンチュリーの脚色は目立っており、前走はフロックでなかったと感じた。今後のG1戦線でも狙ってみたい。 シルクフェイマスは仕上がりもう一つで有馬まで見限れない印象。テレグノシスはベストが東京1600mと思われ、今回は多少厳しかったと思われる。リンカーン、サクラプレジデントなども休み明け緒戦であり、次回の変わり身あって不思議は無い。 ヒシミラクルは距離も忙しすぎたが、やはりまだ仕上がり切っていなかった。来年春までは見限らず、長い目で見ていきたい印象。皐月賞馬ダイワメジャーはどうも喉が鳴るようで、もう春のような走りは望めないのかもしれない。
最後に付け加えると、今年は有力勢に休み明けの馬が多かった。だが、去年このレースで鉄砲実績のあるツルマルボーイ以外、上位には休み明け2戦目の馬が来ていた。休み明けはいかなる名馬でも仕上げの難しいもので、改めて前哨戦の意義を考え直すべきなのかと感じた一戦だったと思う。
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