|| 倫敦納豆 07/10/07 (日)22:22
秋天のトライアル的レースだったはずだが、勝っても秋天をスルーしてJCに直行しそうな面々がそろった。人気はポップロック(1番人気)とインティライミが2倍台前半で分け合い、10倍以内はこの2頭。以下トウショウナイト、ファストタテヤマ、デルタブルースの順である。 メンバー中に逃げ馬はおらず、デルタブルースが逃げることになった。ただし「行きたくないんだけど仕方なく」的な超スローの譲り合いではなく自然な感じで。これをマークするように2番手にトウショウナイト。マキハタサイボーグが続き、ポップロックがその次、続いてアルナスライン、インティライミはさらに後ろである。ファストタテヤマは後ろから2番手で後方一気を狙う。 1000mは1分01秒4.スローではあるが、京都大賞典はもっとスローになることが多く、今回はそれよりはややましか。馬群もそれほど伸びず、隊列もそれほど変わらないまま終盤へ。 残り4Fからペースが上がり、トウショウナイトはデルタブルースに4角で並びかける。しかしデルタブルースも抜かせまいと踏ん張る。そこでポップロックが最内から鮮やかに抜け、前の2頭をかわし去った。後方勢も激しく追い上げ、インティライミが外からポップロックを差して勝った。2着ポップロック、3、4着には差してきたアルナスラインとダンスアジョイが最後にデルタブルース(5着)を抜いて入った。勝ちタイム2分24秒8、上がり4F45秒6、3F34秒0。京都大賞典の「スローだが差し馬が勝つ」パターンは今年も踏襲された。
インティライミは前走朝日チャレンジCに続く重賞連勝。ようやく失われた時を取り戻した感じである。そもそもこの馬がはじめて重賞を勝った京都新聞杯は、最後方からまくって差しての勝ちであった。ダービーで先行し、菊花賞に出ていれば逃げるつもりだったというのはおそらくはディープインパクトを意識したための発想であり、結局はあまり馬のためになっていなかったのかもしれない(不調の原因は他にもたくさんあるとは思うが)。 ポップロックはうまく抜けたと思ったが惜敗に終わった。勝ち馬より1kg重かったことを考えると互角くらいの評価はできるだろうが、もう一つ上のG1を勝つためには、先行力かさらに切れる末足かがほしい。 3歳馬アルナスラインは2月のすみれSを勝って以来の競馬で、秋初戦を古馬相手に3着は立派。中1週で菊を目指すのだろうか?疲れ・反動は気になるが、(馬場の差を無視して)神戸新聞杯にたとえると、ヴィクトリーと同程度のタイムと思われる。もしもこの馬が叩き良化型なら面白い。これまでの実績は違うし京都大賞典〜菊花賞の間隔も変わってしまったが、テイエムオペラオーも3歳時の京都大賞典は3着だった(騎手も同じ)。 デルタブルースは、今回は逃げたことも差し比べに敗れたことも仕方あるまい。ただもし勝つのならもっとペースを上げて後続勢の脚をすりつぶす必要があり、この馬が自ら逃げてそのペースを演出し、かつ直線でも粘って逃げ切る、というのは困難で、やはり逃げてペースを上げる役割は他の誰かにやってもらわないと難しそうである。 ちょっと残念だったのはトウショウナイト。同じく瞬発力に欠ける馬なので、差し比べに負けるのは仕方ない。だがデルタのマークをしていたのだから最低でもデルタには勝たなければいけない。両馬の間には格の差があると考えるべきだろうか。実際にG1馬とG2馬なのだが…
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