|| 倫敦納豆 07/12/23 (日)22:48
JC組から外国馬と勝ったアドマイヤムーンが抜け、ダイワスカーレット、ダイワメジャー、ロックドゥカンブらが参戦してきた。締め切り段階ではフルゲートの16頭だったが、あとでフサイチパンドラが疾病で出走取消となり、15頭のレースとなった。土曜夜からの雨で馬場は稍重と発表された。次の芝レースも稍重だったので、「稍重にしては速めの馬場」ではなかったと思われる。 人気はメイショウサムソンが2.4倍で断然、以下ポップロック5.0倍、ウオッカ6.9倍、ロックドゥカンブ7.5倍、ダイワスカーレット8.1倍とここまでが10倍以内、さらにダイワメジャー、ドリームパスポート、インティライミと続いた。条件馬、それも1000万下のレゴラスの出走も話題になったが、137.6倍と最下位ながらあまり突出していない。(ブービー人気はサンツェッペリンの111.1倍)
スタートでドリームパスポートが出遅れた。ダイワスカーレットがハナを狙うが、外からチョウサンが出て譲らない。かなり長く先頭争いが続いたが、1週目の直線後半あたりでようやくチョウサンが先頭を取りきった。前半1000mは1分00秒6(速報値)だが、初めの600mくらいがかなり速く、その後落ち着いたようだ。チョウサンはリードを広げかけるが、結局大逃げといえるほどのリードを奪えずにレースが進んでいく。 向正面の隊列は、チョウサン、ダイワスカーレット、マツリダゴッホ、サンツェッペリン、少し離れてデルタブルース、コスモバルク、ポップロック、ダイワメジャー。そのあとにウオッカ、ロックドゥカンブ、メイショウサムソン、インティライミ、レゴラス、ハイアーゲーム、最後にドリームパスポート。 3角に差し掛かり、ダイワスカーレットが外からチョウサンを抜きにかかる。それに合わせて、ポップロック、ウオッカ、メイショウサムソンといった人気馬たちが外から追い上げ態勢を作る。ドリームパスポートも馬群の中で位置を押し上げようとしたが、4角手前で躓いてしまう。幸いその後の走りには影響なかったようだが、ロスにはなった。 4角でマツリダゴッホがチョウサンとダイワスカーレットの間をすり抜け先頭に立った。ダイワスカーレットは必死に追うが、チョウサンはここまでだった。外から来るはずのウオッカとメイショウサムソンは伸びてこない。ポップロックは多少ましだが、付いていく程度だ。ダイワメジャーが馬群を抜け出し、ロックドゥカンブが内から追い上げたが勝敗に影響はなかった。1着から順にマツリダゴッホ、ダイワスカーレット、ダイワメジャー、ロックドゥカンブ、ポップロック。なお、アクシデントの多いドリームパスポートが6着、条件馬のレゴラスが7着に入り、メイショウサムソンは8着、ウオッカは11着に終わった。 なお勝ちタイムは2分33秒6、上がり4Fは48秒8、3Fは36秒4。ラップは速い→遅い→中程度の順となったが、馬場を考えれば全体的にきつく、中盤の緩みもせいぜい初めの速い部分を相殺した程度で、しかもペースアップが早かったため上がりが遅くなったと分析している。
JC組弱し。有馬はJCの上位馬に人気が集まる傾向にあるが、前走JC組はポップロックの5着が最高だった。6着のドリームパスポートは前走JCだがそれが長期休み明けの一戦で、JC組の中でも異質な存在である。JCが消耗の激しいレースだったとは思えないのだが… レース全体の形としては内有利の前残りではあるのだが、この日の中山芝の他のレースは別にそうではなかった。また、後ろの有力馬たちが、最後に追い込んでいるのに直線が終わって手遅れだったのなら別だが、今回該当するのはロックドゥカンブ(ドリームパスポートも?)くらいである。大体本当に前残りなら、後方から追ってメイショウサムソンに先着したレゴラスはかなり強いことになってしまう。 そもそも前残りとは、スローペースなどにより、先行勢が止まらない状態を言う。だが今回は勝ったマツリダゴッホでさえ上がり3Fが36秒4であり、(宝塚記念のように)前は止まりかけていたのだ。有利なはずの後ろの馬がなす術なく敗れたのであり、むしろ実力以上の完勝・完敗とさえ感じる。
もう一つ印象的だったのは、今回のレースの3着までが「2500mは長いのでは?」と言われた馬だったこと(ダイワスカーレットは未経験なだけだが)。逆に長めの距離が得意と思われた馬達が沈んでいる。宝塚記念もマイル寄りと言われたアドマイヤムーンが勝った。個人的願望を含むが、ステイヤーこそ消耗戦大歓迎のタフな馬であってほしい。淡々としたレースを爽やかに勝つだけの存在であってほしくない。泥臭いレースを勝ってこそのスタミナではないのか。レース展開が厳しいほど短距離馬優位、では情けない。歴史的に見ても、グリーングラスやメジロマックイーンはそういう馬だったのではないか。
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