|| 倫敦納豆 09/05/03 (日)23:05
一番人気はアサクサキングス(3.5倍、ただしプレミアム分を含む)、以下スクリーンヒーロー、モンテクリスエス、アルナスライン、ドリームジャーニーでここまでが単勝10倍以内だった。 テイエムプリキュア、ホクトスルタンらがスタートから前へ行こうとするが、激しい先陣争いの結果、それらを押しのけて何とシルクフェイマスがハナに立った。スルタン、プリキュアはそれに続き、離れた4番手にスクリーンヒーロー、ネヴァブションがいたがここでまたコスモバルクが前3頭に迫っていく。その後ろに早くもアサクサキングスがつけ、内にサンライズマックスとアルナスライン。マイネルキッツ、デルタブルース、ドリームジャーニーらが控えた。モンテクリスエスはさらに後方である。 始めの1Fが13秒台の後、11秒台のラップが続く(4F目は12秒台)が、8F目でペースが大きく落ちる。だがこの間に逃げ勢と後続の間はすぐに詰まっていく。特にアサクサキングスが外から進出してきたことで、もう流れは止まらなくなった。スクリーンヒーローも張り合うように動き始め、後ろからもサンライズマックス、マイネルキッツ、アルナスラインらが前へ出て行く。この間に逃げ勢からは早くもコスモバルクがつかまり、シルクフェイマスとテイエムプリキュアも相次いで脱落、先頭はホクトスルタンになっていた。 このホクトスルタンに坂の下りでスクリーンヒーローとアサクサキングスが迫る。スルタンも粘ってなかなか並ばせない。同時に坂の上り下りでマイネルキッツが内を活かして4番手に上がる。その後ろ、ネヴァブションは必死に追っていたがアルナスラインはまだ余裕があった。 直線に入って、ホクトスルタンにスクリーンヒーロー、アサクサキングスが、内からマイネルキッツが並ぶ。アサクサキングスが先頭、と思ったのも一瞬、内からマイネルキッツが抜け、外からアルナスラインがやってきた。最後はこの2頭の争いとなったが、内のマイネルキッツがクビ差で凌ぎ切り、見事天皇賞を制した。直線でジワリと伸びてきたドリームジャーニー、サンライズマックス、ジャガーメイルが3,4,5着となった。
今回の勝敗を分けたのは、激しい先行争いとアサクサキングスの進出(2000m地点前後)に伴う早いタイミングでのスパート合戦の始まりで、先行馬にとってつらいレースとなった。アサクサキングス、スクリーンヒーローは人気を大きく裏切る形になったが、騎乗への批判はあり得ても馬の力への評価はそれほど下げなくてもよいとおもう。ただし有利なはずの後方にいながら何もできなかったモンテクリスエスは残念だった。エルコンドルパサーが死に、ダンスインザダークが繁殖の量・質を落としていることから、シンボリクリスエスが新たな「長距離担当種牡馬」になるかとも思ったが、その襲名は見送りだろう。 勝ちタイムは3分14秒4、この日のほかの芝レースから推測するに、ディープインパクト、メイショウサムソンの年と同程度の高速馬場(多少遅いかもしれない)か。よってタイム上の価値はメイショウサムソン並みと考えている。また、先行勢が壊滅した流れの中、上位に入った中では勝ち馬は早目に仕掛けて押し切っている。だから力量としては名馬の資格はあると思うのだが、異なる条件のG1で勝ち負けできるかどうか?G1レベルの力を出せる条件は広くないのではないか?なので秋はメルボルンCを目標にしてもよいのではないだろうか。
個人的に馬券は外したし、人気を裏切った馬もいた。だがそれらも期待を上回る激戦・好レースの結果起こったことであり、大きな不満はない。これだけのレースが、実績不足の低人気馬が勝ったという理由で評価を抑えられるとしたら残念である。
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