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[1].☆レース回顧
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倫敦納豆
08/4/21 01:21
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これまで混戦といわれてきた皐月賞戦線。実績的には唯一の重賞2勝馬のマイネルチャールズが抜けており、1番人気となった。だが実績の差だけで考えると、単勝3.1倍は少し付きすぎの印象はあった。勝ち方が地味だからということで、実績ほどの評価はされていなかったのである。では2番人気ブラックシェル、3番人気ショウナンアルバ(ここまでが10倍以内)がチャールズへの対抗馬と広くみなされていたかというと、あまりそのような印象もない。
「混戦」とともに言われ続けていたのが、「低レベル」である。チャールズ以外の重賞勝ち馬が次に不甲斐ないレースをすることが多かったのが主要因である。そのチャールズも先述のように評価は高くなく、要するに「チャールズを倒す誰か」を求めていたのが今回の競馬界の世論だったように思う。その「誰か」は本当に誰でもよかったのか、最低の18番人気のオリエンタルロックでさえ79.5倍であった。
レースが始まり、キャプテントゥーレが先頭に立った。レッツゴーキリシマ、サブジェクト、スマイルジャックらがそれを追い、マイネルチャールズは中団、ブラックシェルがその直後、ショウナンアルバはさらに後ろに構えた。前半1000mは61秒4と遅い。向正面でショウナンアルバが動き出してしまい、3角までに先頭集団に接近した。だがこの馬の見せ場はこれだけで、逃げるキャプテントゥーレを脅かすことはなかった。
3角あたりから先行勢の中で苦しくなる馬が出始め、逆にマイネルチャールズなど、集団の中から徐々に位置を押し上げる馬も出てきた。
そんな中、キャプテントゥーレは直線に入っても快調に逃げ続ける。直線半ばになってようやく後続勢が接近してきたが、結局2馬身半の差をつけて逃げ切った。2着は直線で再内を強襲したタケミカヅチ、ようやく馬群を捌いて迫ったマイネルチャールズが3着に入った。以下レインボーペガサス、レッツゴーキリシマと続く。
馬場は良馬場、タイムは2分01秒7。悪いタイムではあるが、この日の中山芝は時計のかかる馬場で、同じ2000m、1000万下のタイムが2分02秒3であった(しかも前半は皐月賞の方が遅い)。古馬OP特別並みかそれよりやや下程度か。逃げ切ったキャプテントゥーレは61秒4〜60秒3(上がり3F35秒2)で走っている。確かにスローペースには違いないが、極端ではない。あまり評価を低く抑えるのもどうだろうか。もしこの逃げ切りにケチをつけるとしたら、先手を取りきるまでの過程が楽だったことだろう。2F目は11秒5とそれほど早くならず、最も速いのは8F目の11秒2であった。
人気を裏切る形になったマイネルチャールズは、前半控えたことがあだとなったように思う。それでも3着に入ったのは実力の証だが、同時に差しに回ると有力馬の一頭に過ぎない印象を受けた。(古馬になってからの)ダイワメジャーのレースがよい手本になると思うのだが…。ダービーでも変に直線を意識して控えてほしくない。
もう1頭控えてほしくない馬が、ショウナンアルバ。今回も逃げるべきだったと思う。折り合い云々は逃げの範囲内で模索すべきであって、この手の脚質転換は成功率が低いだろう。基本的に関東の騎手は関西の騎手よりも逃げ志向が強いように思う(今回は関西の川田騎手に逃げ切られたが)が、蛯名騎手は逃げ志向が弱い印象で、その意味でこのコンビは合っていないのではないか。
それにしても、こうやって逃げ切られても、前半行こうとするのを抑えて後方に控えるのが「若駒に必要な教育」であり続けるのだろうか。今回のマイネルチャールズへの低評価にしても、「先行抜け出しで勝つのは小物、追い込んで勝つのは大物」といった評価基準に基づいていた面が大きい。それに、(私見だが)逃げ・先行馬がハイペースの中で終盤タレて負けるときよりも、差し・追い込み馬がスローペースの中で届かず負けたときのほうが評価が落ちにくいように思う。これは差し・追い込み馬に対する甘やかしではないだろうか。そしてこれこそがスローペースを増やす原因ではないのか。
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