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3. 21世紀型長距離戦考察
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プロヴィックス
02/03/12(火)05:20
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年々高速化する日本の競馬。逆行し「荒れ馬場」と関係者より酷評を受けていた中山も、昨秋より有数の高速馬場へリニューアル。例外は函館(荒れ馬場ではなく重い)のみとなった。これにより、各競馬場耐久性にこそ未だ差があるものの、高速馬場とは高速=特殊ではなく、日本の競馬のスタンダードになった。また、昨年リニューアルされた中山.新潟の両競馬場は、先行実施されていた他の競馬場に比べ、芝の耐久性が高い(持続する)。このことから考えると、将来芝状態は人工芝に程近い、高速安定化傾向へ進むことが予想される。
時代の移り変わりは競馬の場合、環境の変化による。この時、馬(直接的立場)は即座に反応するが、人(間接的立場)は鈍感だ。距離体系確立以前、日本の競馬はステイヤー偏重主義者が、競馬関係者のみならずファンに於いても総体を占めていた。その為、賞金の高いレースは長距離戦しかなかった。しかし、距離体系が進むにつれ権利を得たスピード馬が即座に真価を発揮し、近年の高速化に伴いスタミナ馬を凌駕するようになった。その時人の反応は、余りにも遅かった。生産者.オーナー.調教師.騎手は、早めに対応した者程生き残り、対応が遅れた者程追い込まれていった。
近年の高速馬場に於ける長距離戦を見ていると、騎手(だけではないが)がそれに対応出来ていないことに気付く。誰もが知っているように昨秋の菊花賞などはその最悪の例だが、それだけではない。当時、驚愕のタイムと皆が口にしたセイウンスカイのレコードタイムとて、MAXからは程遠いタイムであったのだ。事実、その二年後準OP(格下)のレースに於いて更新された。
昨年の当レース、マックロウに騎乗した安田康騎手の乗り方はその象徴的例。ハイペースを読んだのだろうが、自身の千メートル通過タイム1:05では、残り二千メートルを阪神二千レコードタイムで走っても届かなかったのだ。推測だが彼は未だそれに気付いていないと思う。
GT級であれば、三千メートル3:01秒台(平均1F12.1)は決して不可能ではない。1F13秒台のラップは、高速馬場には距離が長かろうが必要がない。走る側の馬は準備万端。後は走らせる側の人の問題。如何に気付いているかに繋っている。適切なラップを刻み、レコード更新を期待したい。
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