母Mowerinaはデンマーク産で16勝を上げたスプリンター、半妹に英1000ギニーを勝ったSemolinaがいる。St. Simon、
Ormondeに負けるとも劣らぬ19世紀英最強クラスの馬。均整の取れた逞しい馬体で、何処をとってもサラブレッドの良い見本のような馬であったそうだ。
2歳時は13戦11勝、クラシックを目標とする2歳馬とは思えないようなハードスケジュールだったが馬は良く応え、ニューS、ジュライS、ミドルパークプレート、デューハーストプレートなど、主要レースを総なめにした。3歳でも緒戦を快勝し、2000ギニーでは圧倒的人気に推されたが、
Enthusiastのアタマ差2着に敗れてしまう。しかし、続くニューマーケットS完勝で持ち直すと、ダービーを圧勝。その後も、プリンスオヴウェールズS、セントレジャー、ランカシャープレート、ロイヤルSと敵無しの楽勝を続けた。4歳もアスコット金杯を目標に現役を続けるはずであったが、調教中の故障によって出走することなく引退している。通算21戦18勝2着1回。獲得賞金は、当時の世界レコードであった。
種牡馬としては、父
Galopinが存命、同父のSt. Simonがいたこともあり、それ程恵まれていたとは言えないようだ。代表産駒は、英チャンピオンS連覇などのVelasquez、プリンスオヴウェールズSなどを勝った
Matchmaker、Veronese、プールデッセデプーリッシュなどを勝ったSesara、ディアーナ賞を勝ったPfaueninsel、デュークオヴヨークSなどを勝ち、3頭のクラシックウィナーの母となったDonnettaなど。