主な勝ち鞍:the Darby Stakes, St Leger Stakes, Doncaster Cup
母Martha Lynnは、この馬の後に全妹Vivandiere(the Yorkshire Oaks)等を出して名繁殖牝馬となった。本馬はその5番仔。
The Darbyを16-1という低評価の中、その年の英2000ギニー馬Pitsfordに1馬身の差をつけ勝利した。この48時間前には、輸送の電車中で調教師等がどんちゃん騒ぎをしている最中、見張りもつけられず動かないよう固定されたままであったが、それにも関わらず勝利を収めたという逸話がある。
続くセントレジャーではRussboroughとのデッドヒートの末、同着入線したが、決勝戦(詳細不明)にてRussboroughを1馬身退け勝利する。
しかしこの馬を語る上で重要なのは、1歳年上の、同じく英ダービーとセントレジャーを制した2冠馬、
The Flying Dutchmanとのマッチレースだろう。第1戦は、
Voltigeurが1/2馬身差で勝利。しかしこのレースでは、
The Flying Dutchman鞍上のCharles Marlowは泥酔していたとのこと。翌年に組まれた3200m戦では、「しらふの」Charles Marlowを背に
The Flying Dutchmanが1馬身差で勝利を収めている。
種牡馬としても大成し、Vedette(2000 Guineas, the Great Yorkshire Stakes, the Doncaster Cup/2回)を筆頭に、Buckstone(the Ascot Gold Cup)、The Ranger(the Great Yorkshire Stakes, the Grand Prix de Paris)等を輩出した。なおVedetteから
Galopinが出て、その血はSt. Simonへと受け継がれていく。
性格はとても大人しく従順で、馬房での無二の友達は猫だったとか。