クリフジは菊花賞において、菊花賞史上唯一の大差勝ちをしているのだが、この菊花賞と関係が深いレースと言われる翌年の春の天皇賞において、なんと、その前年の菊花賞でクリフジに大差をつけられた、２着馬と３着馬が１着と２着に来ているのである。

第６回菊花賞（京都農商省賞典四歳呼馬）１９４３、１１/１４
京都、３０００ｍ　８頭

着順　　　　　　　性齢（新表記）斤量　　　　着差
１、　クリフジ　　牝３　　　　　５５，５　　３，１９，３
２、　ヒロサクラ　牡３　　　　　５７　　　　大差
３、　イマヒカリ　牡３　　　　　５７　　　　２馬身
４、　ハチアジカワ牝３　　　　　５５，５　　鼻
５、　カンシヤ　　牝３　　　　　５５，５　　首



第１４回天皇賞（帝室御賞典）（春）１９４４、５/２８
京都、３２００ｍ　１０頭

着順　　　　　　　性齢（新表記）斤量　着差
１、　ヒロサクラ　牡４　　　　　６０　３，２９，０
２、　イマヒカリ　牡４　　　　　６０　２馬身１/２
３、　イシマツ　　牡５　　　　　６２　３馬身１/２
４、　フアンタス　牡５　　　　　６２　１/２
５、　イチシウスイ牡４　　　　　６０　首

史上最強馬は？との問いの答えは人それぞれだろうけど、日本競馬の草創期の馬から最近の馬までを実際に生で見てきたオールドファンや競馬関係者の方々の中にはクリフジこそ史上最強であるという人が多い。又、その中の一人でもある故・野平祐二調教師（シンボリルドルフの調教師、さらには早くからテイエムオペラオーの強さを指摘していたことでも有名）も史上最強馬としてクリフジの名を上げていた。

主戦騎手の前田長吉は若干１９歳でクラシックを取った。
クリフジのレース中に何度も後ろを振り向いたエピソードは有名。
だが徴兵として出兵されてしまい戦地で命を落とす。

故大川慶次郎氏は前田騎手の事を知りたかったそうだ。
本でもクリフジの解説をすると必ず前田騎手のことを教えてくれの文章が載っているほど知りたがっていたそうで

変則三冠馬である。風邪を引いて、桜花賞、皐月賞をでられなかったらしいがその後、オークス、ダービー、菊花賞を楽々制してしまうのだから恐ろしい牝馬である。いくら、時代が違うといえどこの成績は称えるべきだろう。「負け」の２文字を知らないクリフジは、とうとう引退まで１１戦１１勝のパーフェクトを達成した。

ダービーではゲート(当時はハリヤー式)がうまく開かなかったため、大きく出遅れてしまいしかもそこで一回転してからやっとまともに走り出し、そこから６馬身差でしかもレコードと言う驚異の勝ち方。まさに時代を間違えたサラブレッド。

彼女はヤマイチという桜花賞馬を輩出した繁殖としても名牝に値する勲章をもっているわけなのですが、イチジョウと名前を変えて繁殖入りしたのでしょうか？

>>イチジョウと名前を変えて繁殖入りしたのでしょうか？

イチジョウはクリフジの仔であり、クモハタ記念優勝馬です。
イチジョウの妹が桜花賞・オークスを制したヤマイチなのです。

クリフジは繁殖名を年藤といいました。繁殖としても優秀で、ヤマイチ、イチジョウのほかにも、金杯優勝のホマレモンを産んでいます。

たしか、下総御領牧場（字あってたかな？）の生産馬でいわゆる『菊のご紋』の馬。要するに、皇室の直属の牧場の生産馬です。そして、宿命を背負ったかのように菊花賞史上、唯一頭の『大差勝ち』をした馬。

下総御‘料’牧場だったと。

揚げ足取るようで、スンマソ

昭和15年〜39年／11戦11勝／東京優駿、優駿牝馬(オークス)、京都農林省賞典(菊花賞)／殿堂馬
11戦全てが２着に影をも踏ませぬ圧勝劇ばかりで、史上最強牝馬と呼ばれた。

デビュー戦（新呼馬）だけ１馬身差で勝ってますね。
しかし、ダービーを５６．５ｋでレコード勝ちしたのは、この馬の戦績を考えれば当然としても、オークスを６３ｋ背負ってレコード勝ちってのには驚きます。（その当時の負担重量はどういうシステムだったんでしょう？）