史上最強馬を論じるとき、牝馬の中で唯一名前があがる
クリフジという馬は一体どんな馬だったのだろうか?
クリフジの強さの評価について聞くとき、あの馬は本当に凄いという声と共に、周りの馬のレベルが低かったんじゃないの?という声も聞く。要するに周りに弱い馬が多くいた中で1頭だけそこそこに強い馬がいただけというのである。確かに当時は戦時中だったから競走馬の数も少なかったかもしれないので、そうなのかもしれない。でも、どうしてこの記録を作るには“好条件”ともいえる中で11戦11勝という日本の無敗の最多勝記録(中央競馬の記録)を作った馬が牝馬だったのだろうか?時々出てくる牡馬とも互角に渡り合えるような女傑がたまたまこの“好条件”の中にいたというだけのことなのだろうか?しかし、
クリフジの競争記録の中には、ダービーを致命的とも言える出遅れをしながら6馬身差の圧勝で、それまでのレコードを1秒6も更新して、しかもレース後にまったく息を乱していなかったらしい(こんな馬は長いダービー史の中でも
クリフジと
ナリタブライアンだけ)ことや、さらに菊花賞にいたっては菊花賞史上唯一の大差勝ちをした事などが記されており、いくら“好条件”の中にいたからといっても、とてもただの女傑とは思えない。なにより
クリフジのレースを実際に見た人の多くがその強さに圧倒されたのを思うとなおさらという感じがする。
では、
クリフジとは一体どんな馬だったのだろうか?
ここで思い出すのは
キンチェム(キンツェム)というハンガリーの馬。
キンチェムは54戦54勝という、まるでフィクションのような無敗の最多勝の世界記録の保持馬。しかも驚くべきことに
キンチェムも牝馬!!
そこで私は思ったのですが、通常、牝馬は牡馬に(特に中・長距離では)なかなか勝てないのですが、ときどき牡馬とも互角に戦える名牝とか女傑といわれるような牝馬が出てくる。そして非常にまれに牝馬はもちろん牡馬さえも全く寄せ付けない猛烈に強い牝馬が登場するのではないのだろうか?それが
キンチェムであり
クリフジなのではないのだろうか?
まあ、これは私の勝手な推測ですが・・・・